テラーノベル
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第8話:境界線を越える夜と、甘美な戴冠
敵艦との激闘が終結し、嵐のような騒がしさが去った『黒狼号』。
夜の静寂が広がる海上で、船長執務室のキングサイズベッドには重厚な天蓋カーテンが深く降ろされていた。室内のランタンの灯りは絞られ、どこか背徳的で密室特有の濃密な熱気と、シオンの体から漂う甘い血の香気が充満している。
シルクのシーツの中央に、シオンはぽつんと正座していた。
着ているのは、仕立ての緩いダボついた白いシャツ一着のみ。ボタンは胸元まで大きく開けられ、昼間の戦いで自ら噛み切った手首には、丁寧に清潔な包帯が巻かれている。
シオン:「えっと……船長さん? お仕置きとご褒美って、ここで何をされるんですか……?」
シオンは蒼い瞳を潤ませて上目遣いになり、ベッドの周りを取り囲む男三人を見上げた。
目の前に立っているのは、上着を脱ぎ捨ててシャツの袖を乱暴に捲り上げたレヴィ、腕組みをして獣のようなギラギラとした視線を注ぐガルド、そして香りの高いオイルが入った小瓶を手に優雅な笑みを浮かべるフェニの三人だ。
男たちの表情には、昼間の戦闘時以上の凶暴な熱量と、今夜こそ一線を超えて完全にこの少年を自分たちのものにしようとする、甘く重い独占欲が渦巻いていた。
レヴィ:「決まっているだろう。自分を傷つけたお前への『お仕置き』と、俺たちを救ってくれた『ご褒美』だ」
レヴィがベッドにゆっくりと膝を乗せ、シオンの頭上を覆うように覆いかぶさってくる。
シオン:「ふゃ……っ!? 船長さん、お顔がすごく近いです……っ!」
ガルド:「逃がさねぇぞ、シオン。昼間のお前の無茶な真似のせいで、俺の寿命がどんだけ縮んだか分かってんのか?」
右側からガルドが滑り込み、シオンの細く柔らかい太ももを自分の大きな手でがっしりと掴み寄せた。そのまま強い力でシオンの体を逃げられないように固定する。
フェニ:「ふふ……僕もですよ。シオンくんが手首を噛んだ瞬間、本気で世界を滅ぼそうかと思いましたからね。……そのお詫びとして、今夜はたっぷり僕たちの『愛』を注ぎ込んであげます」
左側からフェニが滑り込み、シオンの包帯が巻かれた手首を優しく引き寄せて、その指先にしっとりと熱いキスを落とした。
シオン(心声):(あ、あれ……!? 昨日よりもみんなの目が熱くて……身体が挟まれて動けないよぉ……っ!)
男三人に完全に四方を塞がれ、逃げ場のない密着状態。
肌と肌が密着するたびに伝わってくる、男たちの沸騰するような体温と強い脈動に、シオンの鼓動もトクン、トクンと恐ろしい速さで跳ね上がる。
レヴィ:「シオン……お前が自ら血を差し出したんだ。どこまで深く侵されても、もう離してやらん」
レヴィの低く掠れた声が耳元に響くと同時に、シオンの細い顎が力強く持ち上げられた。
言い返す隙すら与えず、重ねられた唇から侵入してくる熱い舌。シオンの小さな口内をくまなく舐めしゃぶり、吐息さえも奪い尽くす濃厚な接吻。
シオン:「んむっ……!? !?!? ん……っ、あふ……っ!」
シオンの瞳からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
舌が深く絡み合うたび、シオンの腰から背筋にかけて、電流のような痺れが駆け抜けた。
ガルド:「くそっ……俺を焦らすのもいい加減にしろ……っ! ガキ、二度と自分を傷つけねぇって誓え!」
反対側からガルドの太い腕が伸び、シオンの華奢な腰を力任せに抱き寄せた。
服の隙間から滑り込んだガルドのごつごつした大きな手が、シオンの熱く火照った肌を直接なぞり上げていく。
シオン:「ひぁっ……!? ガ、ガルドさん……っ! そこ……あつい……っ!」
ガルドの手がシオンの腰骨から太ももの内側へと深く滑り落ち、指先で柔らかい肌を優しく圧迫する。
そのままガルドはシオンの白い首筋から胸元にかけて、がぶりと歯を立てた。噛みつくような強く情熱的な愛撫。
シオン:「あぅっ……! ガルドさんっ、噛まないでぇ……っ! あつくて……痺れちゃう……っ!」
シオンは快感に身体を跳ねさせ、涙目になりながらガルドの広い背中に爪を立てた。
傷口から滲み出る一滴の血を、ガルドとレヴィが争うように舐めとっていく。
その瞬間、昨夜以上の甘く官能的な人魚の血の香気が部屋中に充満した。
フェニ:「ふふ……お二人とも、お仕置きにかこつけてご自分が気持ちよくなっているだけじゃありませんか。……ほら、シオンくん。僕からはご褒美ですよ」
フェニが手にしていた小瓶から、香りの高いトロリとしたオイルを自分の手に垂らした。
そして、その温かい手を、シオンのはだけた服の隙間から滑り込ませ、華奢な脇腹や胸元へ滑らせていく。
シオン:「んあぁっ……!? ふ、フェニさんっ……!? なにか……ぬるぬるして……あついよぉ……っ!」
肌を滑る滑らかな手つきと、オイルの刺激。
シオンの肌は一瞬で鮮やかなピンク色に染まり、胸の小さな突起が可愛らしくピンと立ち上がった。
フェニの指先が、オイルで濡れた胸の蕾を強くなぞり、クリクリと愛撫する。
さらに、フェニの脚がシオンの太ももの間に滑り込み、一番過敏で熱を帯びた「中心」を、布越しにじわじわと圧迫するように擦り寄せてきた。
シオン:「あ……っ……ぁああっ……!? !?!? フェ、フェニさん……っ! 何か……あたって……っ! あつくて……耐えられないよぉっ……!」
押し付けられる男の熱量と、肉体の質量。
シオンは経験したことのない「一線を超えるような快感の波」に飲み込まれ、頭の中が真っ白になった。
レヴィの激しい接吻。
ガルドの腰を押し潰すような強い抱擁。
フェニの過敏な肌をなぞる指先と、最深部を揺さぶるような圧迫。
三人の男たちが同時にシオンの全身を奪い合い、己の存在を刻み込むように深く、強く肉体を重ね合わせていく。
シオン:「んあぁぁっ……! 船長さん……ガルドさん……フェニさん……っ! ぼく……ぼく……壊れちゃう……っ!」
シオンは背中を大きく反らせ、爪を立てて男たちの肩にしがみついた。
男たちの粗い息遣いがシオンの首筋に吹き付けられ、皮膚の下を流れる血の脈動が直接重なり合う。
どこからが自分の体温で、どこからが男たちの体温なのかも分からないほど、四人の境界線が熱く溶け合っていく。
ガルド:「壊さねぇよ……! お前を壊すもんか……! だから……もっと俺を感じろ、シオンっ!」
フェニ:「そうですよ……甘い声で、僕たちの名前を呼んでください。最後まで……全部受け止めてあげますから」
レヴィ:「シオン……お前のすべてを、俺たちに捧げろ」
シオンの甘い声が天蓋の闇の中に響き渡り、男たちの情熱が極限まで跳ね上がる。
重ねられた肉体と肉体、溢れ出る吐息と汗が混ざり合い、夜が明けるまで、一線を超えた甘い愛の交感が繰り広げられた。
完全に男たちの熱に浸され、全身に「刻印」を刻まれたシオンは、極上の快感の余韻の中で、幸福そうに瞳を潤ませながら気を失うように眠りに落ちていった――。
◇
翌朝。
眩しい陽光が執務室に差し込む中、シオンはレヴィの胸の中で目を覚ました。
シオン:「んぅ……ふぁ……」
身体中が心地よい痺れと熱気に包まれている。
シオンがふと自分の身体を見ると、昨夜以上にはっきりと、全身に鮮やかな赤紫色の「キスマーク」と「歯型」がびっしりと刻み込まれていた。
まるで、豪華な宝石の鎖で全身を繋がれたかのような、背徳的で美しい姿。
シオン(心声):(うわぁ……前よりすごいや。みんな、僕のことこんなにたくさん愛してくれたんだなぁ……)
相変わらずの無自覚さ。
シオンは「印=みんなからの愛の証」と変換し、誇らしげにふにゃりと微笑んだ。
ガルド:「お前……朝からその格好でニヤニヤすんじゃねぇ……」
右側で目を覚ましたガルドが、顔を真っ赤にしてシオンの胸元を慌てて服で隠した。
ガルド:「昨夜あんなに鳴かされたのに、反省の色がねぇぞ……!」
シオン:「えへへ、だってガルドさんも、船長さんも、フェニさんも、とっても優しかったんだもん! 僕、みんなのお仕置きもご褒美も大好きです!」
天使のような純粋な笑顔でそう言われ、ガルドは「くっ……!」と絶句し、恥ずかしそうに顔を背けた。
フェニ:「ふふ……本当に、手に負えない子ですね」
フェニが起き上がり、シオンの額に優しくキスを落とす。
フェニ:「でもシオンくん。これで君は名実ともに、この『黒狼号』の特別な『姫様』ですよ。船員たちも、君のためなら命を捨てる覚悟ができていますからね」
シオン:「えっ!? 姫様!? 僕、男の子ですよ……?」
ぽかんとするシオン。
レヴィがシオンの腰を抱き上げ、自分の膝の上に乗せると、満足げに口角を上げた。
レヴィ:「姫でも宝物でも何でもいい。……お前は俺たちのものだ。これからも、この船でおとなしく俺たちに愛されていろ」
レヴィの力強い言葉に、シオンは嬉しそうに目を輝かせ、その胸にギュッと抱きついた。
シオン:「はい! 船長さん、ガルドさん、フェニさん! 僕、ずっとずっとみんなのそばにいます!」
どこまでも広がる、逃げ場のない蒼い海。
最強の海賊たちと、無自覚な人魚の少年の、甘く、狂おしく、そして幸せな航海は、これからも永遠に続いていくのだった。
コメント
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あらあら…第8話、読み終わりましたよ。タイトル通り、本当に「境界線を越える夜」でしたね。シオンの無自覚なかわいさと、三人の独占欲がぶつかり合う熱量がすごかったです。特にガルドが朝になって照れて顔を背けるシーン、「ツンデレじゃん…!」って思わず声が出ました。シオンが「愛の証」とキスマークを無邪気に喜ぶギャップも相変わらず絶妙ですね。雫さんの描く甘くて危うい空気感、今回も存分に味わわせていただきました。
#創作BL
あお
35
#青春恋愛