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私の友人がこう言いました。「あなたはとても頭がよさそうだから、私にはわからないことをたくさん知っているんでしょうね」私は答えた、「私がわかっていて君がわかっていないことなんてほとんどないよ」友はさらに続けて言った、「そうかもしれないけれど、私は本当に何も知らないわ」そこで私は、自分の知識をひけらかすようにこんな風に話しました。「君は本当に何にも知らないのかい?」「えぇ」「じゃあ教えてあげよう。まず『知』という言葉について考えてみるんだ」この言葉を聞いた時、友の顔色が変わったのです。「『知る』というのは何かを知るということであって、『知恵をつける』『知恵を出す』という意味ではないんだよ」私はさらに続けます。「例えば、ここに一枚の紙があるとするよね」
と言って指先で机を叩きながら、「ここにA~Zまでの文字を書くわけだけど、これはいったいどういう意味だと思う?」と質問を投げかけたところ、彼女はしばらく考えた後にこう答えてくれました。「アルファベットのことでしょう? Aから順に書けばABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ……」とすらすらと答えてくれたのです。しかし私は、彼女の言葉を遮るようにして言いました。「確かにそれは正解だよ。でもね、アルファベットにはそれぞれ意味があるだろう? それを全て言うことはできるかい?」彼女は大きく首を横に振りました。それを見て私は満足げに笑いながら言ったものです。「そうさ! 例えば『I』の意味を知っている人はいるかね? えっ? いないのか!? じゃあ、『愛』というのは知っているかい? それも知らないのかい? はぁ……君たちときたら本当に情けないねぇ……。『愛』っていうのは、英語でLoveという意味だよ。つまり『愛する』という言葉は、日本語ではなく英語だということだ。これくらい常識じゃないか!」
私が話を終えると、彼女がぽつりと言いました。「私だって知ってたわよ」「うん、そうだよね。君は賢くてしっかりしているからね。だからこそ聞きたいんだよ。君の口から『愛』という言葉を聞いたことがないんだけど、本当のことを言ってくれないか?」彼女は目をそらしながら言いました。「そ、そんなことどうでもいいじゃないですか」
こうして彼女との楽しい日々が始まった。
だが、彼女もまた僕と同じように変わっていった。
彼女は僕の知らないところで、どんどんと成長していくのだ。
僕はただ彼女の成長を見守るしかなかった。
そうして、ある日彼女がこう言った。
もう、私には関わらない方がいいよ、と。
どうしてなのかと尋ねると、彼女は答えた。
私が私じゃなくなるからだよ。
私の中で何かが囁いているの。
あなたを守るべきだって。
あなたを守らなければ、何もかもを失ってしまうって。
あなたのことを守りたいと思っているのに、あなたを傷付けようとしている自分がいるんだよ。
このままではダメだって分かっているんだけどね……。
でも、ごめんなさい。
私はあなたを守ることができないみたい。
だから、お願いがあるの。
これから先、私のことを思い出しても絶対に近づかないでほしい。
忘れてほしいなんて言わないけどさ、どうか遠くから見ていてくれないかな? あなたのために言っているの。
私はきっとまたおかしくなっちゃうと思うから。
そうなった時、あなたを傷付ける前に離れて欲しいの。
大丈夫。
私はもうあなたの知っている私じゃないかもしれないけれど、 それでも、まだどこかに昔の私が残っているはずだから……。
今度こそ本当におしまいよ。
もう、二度と会うことはないわね。
さようなら。
ごめんなさい。
あなたを巻き込んでしまったことだけは謝らせてちょうだい。
こんなことになるなんて思ってもなかったけど、あなたにも事情があるんでしょう? だったらせめて最後はちゃんと終わらせてあげる。
それくらいしかできないけれど。
あなたはこれからどうするのかしら? このまま逃げるのもいいと思う。
わたしには止められないから。
でも、もし少しでも気が向いたら、 また会いに来てくれるかしら? そのときはもう少しだけ優しい話を聞かせてくれると嬉しいわ。
ありがとう。
ずっと待ってる。
あなたのためにできることがあれば何でも言って。
喜んで協力させてもらうわ。
だから、どうか無理しないでね。
あの日出会った不思議な女の子。
彼女は一体