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夕方の屋上は、風が強かった。
フェンスが、きい、と鳴る。
「話、しろよ」
「話すことねー」
背中を向けたまま言うと、
足音が近づいた。
「俺に構われんの、そんなに嫌か?」
「嫌だね」
即答だった。
でも声が、裏切った。
「……先輩はさ」
相馬は拳を握る。
「誰にでも優しいだろ」
「そうか?」
「俺だけじゃねーじゃん」
言ってしまった瞬間、後悔した。
沈黙。
「……期待させんなよ」
その声は、ほとんど絞り出すようで。
「どうせ俺は、暇つぶしだろ……!」
肩が、震える。
鷹宮が、すぐ後ろに立った気配。
「なあ」
低く、真剣な声。
「俺が他のやつと話すたびに、そんな顔してたのか?」
返事ができない。
「それ、嫉妬だろ」
相馬は、歯を食いしばった。