テラーノベル
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「文化祭実行委員、決めまーす」
ホームルームで担任がそう言った瞬間、教室がざわついた。
俺は二年。
正直、去年経験済みだし、できれば裏方で静かに終わりたい。
……そう思っていた。
「こさめ、やる!」
一年の教室から窓が割れそうな勢いで、元気な声がした気がした。
‥階違うはずだけど‥確かに聞こえた
嫌な予感。
放課後。
俺のクラスは「お化け屋敷」に決まった。
そしてなぜか――
「合同でやることになったから」
先生が言う。
「二年三組と一年一組、合同ね」
嫌な予感、的中。
廊下で顔を合わせた瞬間。
🦈「すちくん!」
こさめが満面の笑みで駆け寄ってくる。
走るな。
転ぶぞ。
案の定、コードに足を引っかける。
🦈「うわっ」
俺は反射的に腰を掴んで引き寄せた。
🍵「だから走っちゃ駄目って‥」
🦈「えへへ……」
距離、近い。
なつが後ろで言う。
🍍「文化祭前からホラー始まってんじゃん」
🍵「うるさい」
準備一日目。
俺とこさめは同じ担当になった。
“装飾班”。
段ボールで壁を作る作業。
🦈「すちくん、これどうやって切るの?」
🍵「貸して〜」
カッターを持つ。
こさめが横から覗き込む。
顔、近い。
🦈「わあ、手きれい」
🍵「今そこ?」
🦈「なんか安心する手してる」
どういう手・・?
こさめがテープを取ろうとして――
届かない。
背伸び。
ぐらつく。
俺は後ろから腕を伸ばして支えた。
ほぼ抱き込む形。
🍵「も〜‥」
🦈「……」
こさめ、固まる。
🦈「こさめ、今ちょっと心臓やばい」
🍵「‥」
俺もだ。
てか、近‥
いいにおいする‥
みことが少し離れたところで作業しながら、ちらっとこちらを見る。
そして視線の先には――
🌸「そこ、テープ足りない?」
冷静な声。
LAN。
文化祭実行委員として巡回しているらしい。
白シャツの腕をまくった姿が、やたら様になっている。
みことの動きが一瞬止まる。
👑「……あ、ありがとうございます」
LANは軽く微笑む。
🌸「順調?」
👑「はい……たぶん」
🌸「迷子にはなってない?」
さらっと言う。
みこと、わずかに目を見開く。
覚えてる。
あの日の会話。
👑「……大丈夫です」
少しだけ、声が柔らかくなる。
こさめが小声で俺に言う。
🦈「みこちゃん、最近ちょっとふわふわしてる」
👑「春だから‥」
🦈「もう春は過ぎたよ」
作業が進む。
教室の電気を落として、試しに暗くしてみる。
モブ「うわ、こわっ」
モブ「まだ段ボール丸見えだぞ」
モブ「雰囲気!」
そのとき。
誰かが冗談で背後から「わっ」と叫んだ。
🦈「きゃっ」
こさめが思いきり俺にしがみつく。
胸に顔が埋まる。
完全に密着。
時間、止まる。
🍵「……」
🦈「……//」
周りがざわつく。
なつの声。
🍍「リアルホラー」
🍵「なっちゃん、ちょっと黙ってて‥//」
こさめは数秒してから、ゆっくり顔を上げた。
🦈「ご、ごめ……//」
🍵「‥大丈夫だよ〜」
そういい少し笑って見せる
心の中は小さな俺が暴れまわってる
休憩中。
廊下に出ると、みことが壁にもたれていた。
少しぼんやり。
🍵「どうしたの?」
俺が聞くと、みことは静かに笑う。
👑「LAN先輩、すごい」
🍵「‥うん」
👑「ちゃんと全体見てて、でも優しくて」
目が、追ってる。
完全に意識してる目だ。
🍵「‥好きなの?」
俺が言うと、みことは少し赤くなりながら言った
👑「‥たぶん」
教室に戻ると、こさめが段ボールの影から顔を出す。
🦈「すちくん」
🍵「なに」
🦈「文化祭、楽しみだね」
🍵「うん」
🦈「もしよかったらさ」
少しだけ、ためらう。
🦈「一緒に回ってくれる?」
その言い方。
期待と不安が半分ずつ。
俺は一歩近づく。
🍵「もちろん」
こさめの顔が、ぱあっと明るくなる。
🦈「やったぁ」
🍵「迷子にならないでね〜」
🦈「たぶんなる」
🍵「断言しないで」
笑い合う。
でも。
距離は確実に、前より近い。
文化祭準備は忙しくて、騒がしくて。
その分、触れる回数も増えて。
目が合う時間も増えて。
気づけば、自然に隣にいる。
お化け屋敷より、よっぽど心臓に悪い。
首こりすぎて痛い‥
あと姿勢悪すぎて腰痛い
どこ社畜や‥ってくらい毎日机にいる‥
期末なんてクソ喰らえ‥
コメント
2件
もっとやれ!!!!!!もっといけ!!!!!!!