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翌日
「……ぅ」
不快な痛みに目が覚める。
その痛みは昨晩からのものだった。
「はっ…、ぐっ…」
昨晩より痛みを増したそれはベックを苦しめる。
思った以上に悪化しているのか身体が熱を帯びている。
何とか身体を起き上がらせようとするが痛みが激しく動かすことができない。
仕方がなく布団に潜っていると
「ベック!もう朝だぞ!」
シャンクスが部屋に入ってきた。
「あぁ…お頭か…」
「珍しいな、俺より遅く起きるなんて」
「……」
「どうした?」
このまま隠してもいずれバレると思い、ベックは正直に言うことにした。
「お頭…すまないが手を借してくれ…」
「?いいぞ」
ベックはシャンクスの手を借り、起き上がることが出来た。
「…ベック、何か身体熱くねぇか?」
「……」
「ホンゴウ呼ぶか?」
「あぁ……頼む…」
ベックの身体の異常を感じたのかシャンクスはホンゴウを呼びに部屋を出ていった。
「…ふぅ…」
ベックは何気なく激しく痛む腹部を見てみた。
服をめくり、視線を落とす。
そこには心臓辺りまで伸びた蔦の痣があり、
心臓があるところに蕾のような痣がある。
ベックは自分の身体に何が起こっているのか分からなかった。
しばらくするとシャンクスがホンゴウを連れて来てくれた。
「お頭は外で待っててくれ。」
「何でだ?」
「風邪だったら移るからだ。」
「分かった。」
シャンクスは言われるまま部屋を出ていった。
「本当に珍しいな。副船長が体調崩すなんて。」
「あぁ…」
「じゃあ、診るぞ。」
「ホンゴウ…少し待ってくれ…」
「なんだ?」
「少し信じられない話かもしれないが…」
ベックは正直に昨晩からあった痣と痛みについてホンゴウに説明した。
「それがこれだ…」
服をめくり、痣を見せる
「なんだこれ…」
ホンゴウも今まで見たことが無かったのか痣をまじまじと見ている。
「心臓の部分に蕾…」
「……」
「信じたくねぇが…もしかしたら”呪い”かもしれねぇな…」
「呪い…?」
「少し、本で読んだことがあるんだ。興味本位だったんだがな。」
ホンゴウ曰く、昔読んだ本に呪いのことについての本があり、興味本位で読んで見た。
その中に、ベックの身体の状態と似たようなものを見つけた。
それは呪いをかけた相手がじっくりと苦しむようにされたものだった。
心臓の部分には蕾の痣が浮かび、その花が咲くと相手は死に至るという。
「何で副船長がそんなもんを…」
「……なぁホンゴウ、その呪いのかけ方は覚えてるか?」
「?あぁ…」
その呪いのかけ方…それは『水晶玉』を使うこと。 水晶玉に呪いをかけたい相手を思い、水晶玉に触れる。そしてその触れた手で相手に触る。
そこで呪いは成立する。
「こんな感じだ。」
「そうか…」
ベックはどうするか悩んだ。
自分に呪いをかけた相手に心当たりがあったからだ。
しかし今の自分では相手の所に向かうことが出来ない。
完全にはめられた。
ホンゴウはとりあえず鎮痛剤を処方し、部屋を後にした。
外でこっそり聞いていたシャンクスは、怒りに満ちていた。
自分の好意を寄せている相手が呪いをかけられ、苦しんでいるのが耐えられなかった。
シャンクスはホンゴウの元に向かった。
to be continue…