テラーノベル
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──────そう決意した日から、俺は最高神の間を調べた。その空間は広いような、狭いような。あやふやな空間ではあったが、とあるひとつの空間があった。そこだけ、この空間から区切られているように四方に壁があり、1箇所のみ、通り抜けられる所があった。その場所が容易にわかったのは、俺が最高神の魂との融合化が進んでいるのだろ。今は最高神を目指しているのだからありがたい。
その空間に入ると、その圧迫感に驚く。隅から隅まで本が連なり、青白い文字が辺りをおどる。
とある一冊の本を読むと、そこには人間について事細かに記載されていた。骨の1本1本が、平均どれくらいの体積で、密度なのか。どの成分でできていて、どのくらいの硬度で、靱性はどれほどか。人を形成するのに何本必要で、壊れたらどう修復するのか。見た目はどうなっているのか。部位によってどのような役割があるのか。
──────その一つ一つが、丁寧に書かれていた。
この力を使うためには、全てを理解する必要があるのだろう。血がどのような成分で、どのように流れていて、色、見た目、役割──────。それを、一つ一つ認識しなければ、人間を創り出せない。
──────つまり、本当に世界のあらゆるものを理解しなければならない。それに、どのくらいの時間がかかるのか。おそらく、想像を絶する時間を要するだろう。それに、宇宙も創り、修復しなければならない。
皮肉なことに、今は俺一人しかいない。完璧となった神の魂と共鳴したことによって寿命もない。
完璧に俺は全ての種族について知り、体の作り、感情、精神、肉体、そして、数十億人、数百億人──────全ての個人の個性を知り、再現し、理解し、再現しなければならない。
それでも、俺が、選んでしまったのなら。この世界を維持するために、俺は頑張らなければならない。俺が諦めたらこの世界は滅亡するしかないのだから。俺が、やらないといけないのだ。そう決意を新たに、俺はその空間へと引きこもる。
まずは、自身の力がどれほどか調べなければ──────
──────数千億年後
俺は、全てを理解した。生物がどのように生き、あらゆる事象を理解し、それに対する感情を理解した。
俺は、最初にめめさんを創造する。問題なく創造できる。骨組みも、肉の付き方も、それを覆うように皮があり、魂によって、思考、性格、過去、力、能力をいれる。約98%が水分、約1.5%がナトリウム、カリウム、アルブミン、グロブリンなどの電解質やタンパク質、約0.5%がコラーゲンなどのタンパク質の塊である目が動く。視覚を通じて外界の情報を認識し、生存と生活を営む上で不可欠な役割のあるそれは、光と空気によって、色を帯びていた。
「──────ぁ。」
声帯を震わせ、そうめめさんが声を発する。空気の振動による音を久しぶりに耳の鼓膜が感じ取る。久しぶりに音を感じた。めめさんの声は懐かしいのかどうか既に判別がいかなかった。
「──────な、んで生きて…?」
ややラグのある声。成体から作ったのがまずかったのか。もしくは、受肉仕立てで、また体になれていないのか。
まあ、一旦いいだろう。どうせ、完全再現したとしても俺の知っているめめさんでは無いのだから。分かりきっていたことだ。そのまま俺は棺の元へ向かう。
数千億年もたったと言うのに、棺の中は何も変わっていなかった。おそらく最高神が保存の魔法をかけていたのだろう。
「──────さて、めめさん。」
俺は、在りし日の恩人の名を口にする。生まれたばっかりのめめさんは眉間に皺を寄せ、疑念の目で俺を見ていた。この人は誰なのか、不安と、疑念と、疑いと疑問。一目でそれを感じ取る。非常につまらない会話になることも、俺が問う疑問の答えすらもわかる。なのにこんな無意味な工程を踏む必要があるのか。意味が無いの一言に尽きるが、無駄を楽しまなければ俺は俺ではなくなってしまう。俺は、その無意味な会話をつづける。
「どうしますか?俺は今から宇宙を再構築し、この世界全てをやり直します。唯一変わるのは俺が神になったくらいです。めめさんは、どう生きたいですか?」
「な、何を言って──────。」
「すみません。そういうの、いいです。返答だけお願いします。」
淡々とした返し。めめさんはより一層俺を怪しむ。そこには恐怖の感情が広がる。ただ、めめさんには今、抗うすべはない。何故ならば俺はめめさんに死神の能力。魂と死の管理権を譲っていないのだから。───めめさんに、これ以上重荷を背負わせたくなかった。それが、いくら俺が創り出した偽物であろうと。
「ッッ!!あなたが何者かは分かりません。けど───」
「いや、もういいです。さよなら。」
そう言って、俺は創り出した輪廻転生の輪にめめさんをのせる。
「さよなら。───お幸せに。」
俺はそう言葉を託し、めめさんに祝福を与える。
その後は、ひたすら棺の中にいるみんなの生き返らせ、そして転生させる。その後、最高神が貯めてあった魂と、俺が創り出した魂全てを転生の輪に入れる。
───そして、ようやく全ての魂を転生させる。
俺が生まれ、生きた世界を俺は完成させた。そこには、事前に用意した生物たちが住み、まるで最初から存在したかのように、あたかも歴史があるように創り出した。
めめ村全員に不思議な縁を結ばせ、必ず今世では巡り会い、そして幸せになる祝福を与えた。
これが、みんな幸せになれる唯一の策。俺は、幸せになれなくても。みんなが幸せになれるのを見届けられるのならいい。それに、みんなと一緒にいても、俺はもう楽しくなくなってしまったから。みんなの思考が全てよみとれるし、何するのか、その結果どうなるかをわかってしまったから。予想外なんてことはもうなくて。みんなと対等でもなくなっちゃって。
神を創り出す気にはなれない。それゆえの過ちを知ってしまったから。もう、二度と。あんなことにはならない。戦争なんてさせない。めめ村の平和は俺がひっそりと守る。
俺は、神界でただ1人我が子達を見守る。
ここで切ります!いえもんさんが神となり世界再創造エンドです!幸せなみんなを描写しても良かったのですが…。ご希望があれば次回最終回ということにし、書きましょうかね。いえもんさんの創った平和編、ということで!
いえもんさんは自身を犠牲にし、全てを理解し、本当に完璧となって全てを創った。すごいですよねー覚悟が。数千億年かかっているのは元の体画人間なので記憶の限界があるため、その度に脳を拡張し、そうすると1部記憶が飛ぶからまた詰めなおしてーっていうのを繰り返した結果ですね。
てことで、実質的な最終回です!いや、次回みんなの幸せな生活を描写するので最終回では無いのですが…。まあ、いえもんさん編は終了ですね!
15万ハートありがとうございました!めっちゃすごいことなのに、時間が無く、イラストが雑になってしまいましたが…。ひとまずどうぞ⤵︎ ⤵︎
最高神になったいえもんさんですね。ほんとに雑です。はい。髪がボサボサ感を出したかったのですが、時間が無くほんとに雑に…。申し訳ない。
それでは!次回!最終回!おつはる!
コメント
28件
これは・・・なにエンドなんだろう?少なくともハッピーエンドやトゥルーエンドではないよね、逆メリーバットエンド的な感じかな・・・(みんなは転生して幸せになったけど、いえもんさんは誰にも覚えられていなかった。メリーバットエンドは主人公のみが幸せな一見ハッピーエンドに見えるエンド。だけどこの小説は主人公のみが幸せになれていない。つまりメリバの逆ってこと)
急ぎすぎて同じこと何回も言ってない?w