『5話 バグ』
【1時間後】
七「…まだ見つからないのか?」
電「…おっかしいなぁ、今日アタシの星座占い一位だったのに」
俺たちはターゲットを探すために廃ビル内を1時間歩き続けている
七「やっぱりいないんじゃ…」
電「アタシの頭のアンテナがいるって言ってるし!」
七「信用できねー」
その時だった
ガンっと音がして、頭が割れるような痛みがはしった
七「っ!」
電「ななっぴ!」
?「いやぁ、可愛い子が二人も来てくれたんだ…」
電「…ターゲット発見」
?「俺を殺しに来てくれたの?」
電「そーだけど」
?「嬉しいなぁ…ちょうど働き手を探しているとことに来てくれて…タイミングバッチリだよ」
ネチョネチョとしながら話す男が気持ち悪い
電「働き手?」
?「そうそう…こんな仕事をしてもらうんだ…」
?「性奴隷レンタル。1時間1万円」
七「…きもっ」
電「それな、マジであり得んわ」
?「男の子も大歓迎だよ、しかも食事と風呂つき」
電「どうせ違法だろ。ななっぴ、コイツ殺して原宿行こ」
七「…俺お金ないっす」
電「アタシの奢りね、その代わり…」
電「明日インスタ一緒に撮って!」
七「わかった…」
?「えぇ、戦うの?」
電「もちろんよ、正々堂々ね」
そう言うと、電鈴障子の周りが紫色に光り始めた
電「アタシの才能はバグ、なんでもバグらせちゃうんだ」
?「なんだ…全然雑魚じゃん」
男は銃を取り出し、2、3発撃った
七「…!おい!」
電「今のは透過バグ、十が当たっても痛くも痒くもないの」
銃弾は命中したはずが、透過バグというもので防げたようだ
?「はぁ?!なんで当たらない…?」
男は何度も何度も銃を撃つが、一向に当たる気配がない
電「…じゃあ、ちゃっちゃと消しちゃいますか」
七「…?」
電「削除」
そう言った途端、男の体はどんどんと薄くなって行った
?「ど…うして…は?」
電「…可哀想だね。自業自得だけど」
?「…あ……」
そして、男は完全に消えて行った
七「…」
電「これで終了だね、アタシの才能ってちょっと違うから勉強にはならなかったかな」
七「…この力を使えば、なんでも消せる?」
電「なんでもって訳じゃないよ、寿命の減りすごいし、使うには消す相手の一部を持ってなきゃだし」
七「そう…なんだ」
電「まぁ、これから仕事仲間でしょ?よろしくね、ななっぴ」
七「あ…よろしく」
電「…さて!原宿行っちゃいますか!」
セ「ダメだ。」
七「うおっ…お前、俺を逮捕したガキ!」
電「あ、マジ?コイツはアタシ達の送迎者」
七「マジか、アクセルに足届くのか?」
セ「失礼だな、厚底を履いているから大丈夫だ」
そういう問題か?
電「で?なんで原宿ダメなの?」
セ「塔葉維月に寄り道させずに帰せと命令されてるんだ。」
電「くそっ、いつきっちが一枚上手だったか」
七「お前も塔葉には逆らえないんだな」
セ「そりゃあそうだ。だってアイツはお前達の属するチームのリーダーだしな」
初耳だ
アイツ意外と偉い立場だったのか
電「…じゃ、帰るか、ななっぴ」
七「そうっすね」
こうして、俺の初めての仕事見学は終わって行った
【七星の部屋前】
七「…」
塔「…おかえり、大丈夫だったか?」
七「灰皿かなんかで打たれたけど、大丈夫」
塔「そうか、無事でよかった」
七「…結構、疲れた」
塔「疲れたところに悪いが、これ…」
塔葉維月は10枚ほどの紙を取り出した
七「?」
塔「今日の感想文を書いてくれ、提出は明日までだ」
塔「食事は部屋に持ってく」
七「…」
俺のここでの一日目の最後は、10枚の感想文で締めくくられた
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!