テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
なんで、何も言わないの?
「また俺の名前だけ、グループから消えていた。」
スマホの画面を見つめる。
昨日まであったはずのクラスLINE。
でも今は、どこにもない。
周りから、次々と通知音が鳴る。
ピコン、ピコン、と。
——俺のスマホだけ、静かだった。
「え、あいつ入ってなくね?笑」
「招待ミスじゃね?」
わざと聞こえるように、笑い声が重なる。
まるで、最初からそこにいなかったみたいに。
……まあ、いい。
どうせ言ったところで、何も変わらない。
「じゃあグループで連絡回しといてー」
担任の声。
教室の空気が、少しだけ冷たくなる。
誰も、俺のことなんて見ていない。
——そのはずだった。
「……ねえ」
ふいに、声がした。
一瞬、教室が静まる。
視線が集まる先にいたのは——
あの子だった。
誰とも群れないのに、なぜか目立つ存在。
クラスの中心にいるはずの人。
そんな彼女が、まっすぐ俺を見ている。
「なんで、何も言わないの?」
「……別に」
そう答えるしかなかった。
すると彼女は、少しだけ目を細めて——
「変わってないね」
「……え?」
思わず顔を上げる。
なんで、そんなことを——
彼女は小さく笑って、俺にだけ聞こえる声で言った。
「やっと見つけた」
——その瞬間、心臓が大きく跳ねた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!