テラーノベル
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数日後。
「ちょっと、目閉じて」
唐突だった。
「は?」
「いいから」
声は軽い。
でも、拒否権がないトーン。
ぜんいちは一瞬迷ってから、目を閉じた。
——その瞬間。
手首に、冷たい感触。
「……っ!?」
「動かないで」
カチ、と金属音。
次に、布が視界を覆った。
「マイッキー、なに——」
「しー」
指が、口元に触れる。
「静かに」
そういうとマイッキーの息が近づく。
___あれ、脱がされてる…?
「は、マイッキー?」
「え、なにして…. 」
「大丈夫」
「ねえ流石にこれは、」
「僕こういうのは嫌だ、やめて。」
手が拘束されて動けない。嫌なのに…離れれない。
「じゃあ…」
マイッキーの手が触れる。
「….あ゛っ..!」
マイッキーは僕を物みたいに扱う。壊すように。
「硬っ♡」
ーー
シュッシュッ..シュッ
「無理ッ…うっ、ぁ…」
(イく….!)
__ピタッ
「….ぇ?」
急に動きが止まった。なんで、もう少しだったのに?
「ぜんいち、」
「ねぇ…イかせてほしい?笑」
「…は」
「聞いてる。イきたいの?」
___なに、これ。意味わかんない。
「何言って….」
足音が、離れる。
近くにいるはずなのに、気配だけが遠ざかる。
「ちょ..え」
ぜんいちは息を整えようとした。
冷静でいようとした。
でも。
見えない。
手も動かせない。
声をかけても、返事がない。
床を、とん、とん。
一定のリズム。
「ここにいるよ〜笑」
それだけ言って、また沈黙。
分かってる。
マイッキーは目の前にいる。
なのに。
胸の奥が、じわじわ壊れていく。
——呼ばなきゃ。
——縋ったら、負けだ。
ぜんいちは歯を食いしばった。
「……別に」
強がる声。
「いいよ、別に。」
返事はない。
代わりに、床を叩く音が止まった。
その“止まった”が、決定打だった。
「……ぇ、マイッキー?」
声が、震える。
返事は、まだない。
数秒。
数分。
時間の感覚が壊れていく。
「やだ、やっぱイきたい、お願いッ…!」
「僕、君がいないと___」
そして。
「ねえ」
ようやく、声。
「俺がいなくても、平気?」
その一言で。
理性が、音を立てて崩れた。
「……やだ」
自分でも驚くほど、弱い声。
「やめて、ねぇ」
喉が詰まる。
息が乱れる。
「ちゃんと呼んで」
マイッキーの声は、優しい。
「欲しいって言って」
——ああ、だめだ。
「……マイッキー」
涙が落ちる。
「お願い……イかせて…?」
その瞬間、布が外される。
目の前には、満足そうに笑うマイッキー。
「合格」
「ぁ…う゛お゛ッ!///?」
ぜんいちは、震えながら考える。
首輪より、ずっと逃げ場がない方法だったことに。
コメント
2件
作品の作り方が上手✨️!!!!