司類短編
⚠️司類・年齢操作・文才皆無・語彙力皆無文章・その他もろもろ⚠️
雰囲気で楽しむ小説
__いつからだろう、おかしくなってしまったのは。
君のその笑顔がこちらに向けられた時。心の底から嬉しくなる。鼓動がどんどん速くなる。
君のその笑顔が他に向けられた時。心の底から苦しくなる。胸がぎゅっと締め付けられる。
君が嬉しい時。僕も、まるで自分のことのように嬉しくなる。
君が悲しい時。僕も、まるで自分のことのように悲しくなる。
君が辛い時。ずっとそばに居てあげたいと思う。
君が苦しい時。君が苦しくなくなるまで一緒にいてあげたいと思う。
自分の感情をうまくコントロールできない。君が居なければすぐ寂しいと感じてしまう。君を見つければ途端に胸の中がいっぱいになって笑顔になる。
これがどういった感情なのか、僕には最初わからなかった。
そして、考えに考えた末、気づいた。
これは____『恋』なのだ、と。
僕は君に、恋をしている。
君は世界にとって最高の光⦅スター⦆であり、君は僕にとっての永遠の道標⦅スター⦆なのだ。
できることなら、一生僕を導いてほしい。君の思う『スター』を、僕にずっと魅せ続けてほしい。
でも。
どんなものはただの僕の我儘だ。これを君に、口に出して願ってしまえば。きっと優しい君は、叶えようとしてくれる。僕のために。そう、“僕”だけのために。
僕の願いが叶えば、きっと僕は君の夢を壊してしまう。君が望むスターにはなれなくなってしまうかもしれない。
僕の小さな我儘で、君の大きな夢を壊してしまうなど、あってはいけないことだ。
だから僕はこの感情__『恋』という感情を、心の奥深くに仕舞ってしまうのだ。そうすれば…そうすれば、きっと君も僕も幸せになれる。
僕は君が“友人”としてそばにいてくれるだけでいいんだ。君がいてくれなくとも、寧々やえむくん、瑞希、東雲くん、青柳くん…こんなにも素敵な友人がたくさんいるのだ。また孤独を感じてしまうなど、一生ないだろう。
きっと僕も…………幸せになれる…。
そう信じて、今まで仕舞ってきたのに。
「好きだ」
「オレと付き合ってくれ」
「…………えっ、と…。どういうつもりだい?」
「“司くん”」
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!!!!!!類゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!!」
「フフ、うるさいよ司くん」
「うるせーぞ天馬ー!!w最後くらい静かにできねーのかよーw」
「まーこれくれらいうるせー方が天馬って感じでいいだろw」
「天馬結局最後までうるせーのなwww」
「うぅ……だって!!!!今日でお前らともお別れだと思うと…………!!!!」
「いや会おうと思えば会えるだろ一生の別れじゃねーし」
「そーそーw」
「でも!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うるっさ」
「ほら司くん、うるさがられているよ?w」
「うぅ………!!!!」
「おーい!!司せんぱーい!!類ー!!」
「おお!!暁山!!それに彰人達も…………!!!!」
「ちっす」
「こんにちは、先輩方。ご卒業、おめでとうございます」
「おめでと〜!!」
「おめでとーございまーす」
「む…1人全く敬意が感じられなかったが……ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うっっっっさ」
「フフ、ありがとう、みんな。さあ、最後に特大の祝砲を打ち上げようじゃないか!!!!」
「やめてくださいよ!?」
(この後盛大に巻き込まれた)
「司、類」
「司くん!類くーん!!」
「「卒業おめでとう!!」」
「寧々、えむ!!ありがとう!!!!」
「ありがとう、2人とも」
「ほら、今日えむの家でパーティーすんでしょ?早く準備しなよ」
「ぎゅぎゅぎゅーんってしてどっかーんわんだほーいなパーティーにしよーね!!!!」
「ぎゅ、ぎゅぎゅぎゅーん、??どっかーんわんだほーい……?わ、わかった!!いや全くわからんが!!そうしよう!!」
「フフ、楽しみだねぇ」
「待ってるねー!!」
「また後で」
「ああ!!」
「またね」
「すごく楽しかったな!!!!」
「そうだねぇ…あんなに準備してくれてるなんて、とても感動してしまったよ」
「ああ…………!!!!」
「あ、オレはこっちだから、また明日…………あ、いやまた今度…………か??」
「ああ、またね」
なんでもない日が続いていた。司くんは今では大人気の新人俳優。僕は最近注目されるようになってきた演出家と、お互いに仕事が忙しくなかなか会えていなかった。
ワンダーランズ×ショウタイムのでの活動は、年に1、2回。全員の予定が合う日に不定期で演っていて、寧々やえむくんも多忙を極めているため滅多に会えない。
実際僕も忙しいので寂しいだとかそういったことを感じる暇もなかった。
だから今日、久しぶりの休みが取れて、家で1人ソファに寝転んでいると。ふと、寂しいという感情が今までの分一気に溢れてきた。
寧々は奇跡的に家が隣同士になったので寧々が日本にいる間は会えていたし、えむくんがよく遊びに来ていて会うことはできていた。瑞希もよく連絡をくれるし、たまたま東雲くんの実家が近く、ばったり出会うことがあったりと割と友人とのコミュニケーションはとれていたはずだ。なら何故こんなに寂しいのか。
思い当たる節は一つ。司くんにかなり長い間会えていない。テレビではよく見ているせいで、余計遠い人のように感じてしまう。これ以外に、思いつかない。
昔に捨てたはずの、心の奥深くにしまったはずの恋心が、今になって出てきてしまった。
涙が一粒零れ落ちる。一度零れてしまうと堰を切ったように涙が溢れ出して止まらなくなってしまった。
司くんに会いたい。できることならずっと一緒にいたい。我儘な自分を認めてほしい。
気づけば1時間ほど泣いていた。外から子供達が遊ぶ楽しげな声が聞こえる。もうお昼の3時だということにその時ようやく気づいた。
ふと、チャイムの音が鳴る。
「誰、だろう」
誰が来たかも確認せずに、少し待ってください、と言いさっと顔を洗う。さすがに1時間泣き続けた顔で出るのは気が引ける。
なんとか人前に出れる顔になってから玄関の戸を開ける。
そして、そこにいた人物を見た類は驚愕する。
そこの立っていたのは、まさに今日、つい先程まで想っていた人物。
____天馬司だった。
ワンダーステージは今日も綺麗だ。周りに生える木々、心地よい風が木々の匂いと一緒に通り抜けていく。まるで、現実から一部だけ切り離されたような、そんな場所。
ステージ自体は古く、きっとえむくんの想いがなければ今頃撤去されていただろう。
でもここは、高校二年のあの日から、僕達の大事な大事な始まりのステージだ。
そんな大事な場所で…………何故、僕らはこんな話をしているのだろう。
あの時玄関で司くんに言われた一言。
『話があるんだ、聞いてくれないか』
なんの話だろうとついて来れば、そこはワンダーステージ。そんなに大事な話なのだろうかと身構えていれば、司くんは口を開いた。
『好きだ。オレと付き合ってくれ』
と。
そう言った。
「どういうつもりだい?司くん」
「だから、オレと付き合ってくれ、と言っているんだ。どういうつもりも何も」
「…………」
「お前は…………どちらかといえばオレに好意的だと思っていたが、違ったか」
「…………別に、嫌いな訳ではないけれど」
「…………どうして僕を好きになったんだい」
「どうして…………うぅむ……」
そう言われるとなかなか難しいな…などとぶつぶつ言いながら少々考えた後、司くんは言葉を発した。
「簡単に言うなら、」
「笑顔が、今まで見た人の中で、一番素敵だった。」
「この笑顔を、一生守りたいと思った。」
「寧々に相談したんだ。この気持ちがどういうものかわからなくて。そうしたら、『恋』という感情だと教えてもらえた」
「こんな感じだろうか」
「…………ふーん、」
「ぶっちゃけると、僕も君を好いている。そういう意味でね」
「! な、なら、」
「でも、君と付き合うことはできない」
「、っなんで」
「僕の君への愛は、君が思っている以上に重いと思うよ。僕の小さな我儘で、君の夢を、やっと進み始めることができた夢を、終わらせたくないんだ」
「だから_」
「そんなの知らん!!!!」
「、えっ」
「なんでお前は自分の気持ちにすぐ蓋をする!?オレはお前の我儘ならなんでも聞いてやるし、それのせいで夢を怠ることは絶対にしないと約束できる!!お前もわかっているだろう、オレが“そういう人間”だということを」
「オレは、お前の期待に、12000%の結果で応えると約束した」
「今更その約束を破るつもりはない」
「類、もう一度言おう」
「オレと…………付き合ってくれ」
そう言った司くんの目は、とても輝いていて、真剣で、真っ直ぐにこちらを見据えていた。
「……………………後悔しても…知らないからね…?」
「…! ああ!!任せろ!!!!絶対に後悔などさせん!!」
「いや、僕がじゃなくて君が…………まあいいか、」
「フフッ、改めてこれから宜しくね、司くん」
「ああ、よろしくな!!類!!!!」
捨てるはずだった恋心を。
この好きを、君に。
一生預けることとするよ。
フフ、今回ばかりは…僕の負け、かな。
あの時の司くんの、真っ直ぐな瞳を、僕は一生忘れない。
作者:暁
コメント
2件
良すぎ✨
誤字脱字、分かりづらいところなどあれば教えてください!!