テラーノベル
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ゴンッ
鈍い音が広がった気がした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「しおん、今日はどこ行くの」
微かに聴こえる、波の鳴く音。
少し空気がしょっぱい。
「海」
連れられたのは 「海」 …が見下ろせる、
崖だった。
「こんなとこで何するん」
「……特に」
何も言えなかった。
聞いておきながら本当は、何がしたいのかわかるから。
「俺、ちょっと海辺歩きたい」
「…うん。」
海辺に2人。
夏とはいえ、この時間はもう人が少ない。
手を繋いで海と砂浜の境界線をなぞり歩いていく。
「海、潮臭い」
「しおん、足、気を付けないと貝刺さる」
「うん」
「は?いや、うんやなくて…」
俺は死ぬなら綺麗に死にたかった。
でもしおんはそうじゃない。
死ねるならどうでもいいというやつ。
俺はわからなかった。
しおんの言う通り、 俺はしおんの真似をして病んでるだけなんだろうな。
「…なんで、急に手離すん」
「……っ」
離されたと思った手は、
気づいたら別の場所へ。
しおんは嗚咽を漏らしながら、
しがみつくように俺の肩を掴んでいた。
「…どうしたん、」
痛くない程度の力で何度も殴られる。
自暴自棄になってるのだろうか。
「え、しおん…」
顔を上げた彼、表情が見える。
人生経験が浅い俺にとって、
彼が何を思っているのかわからなかった。
わからなかったけど、
今思えば、あれは自暴自棄ではなく、
俺に怒っていたんだろうな。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「………」
整ったEライン。 筋の通った細い鼻。
彼の横顔が好き。
夕日に照らされているのが、この世の何よりも綺麗で、彼が1番輝く瞬間だったと思う。
「らぴ、おいで。」
「しおん!!」
放課後、必ず窓枠に腰掛けて黄昏れる彼の、
膝の上に乗せてもらってお話をする、
そんな甘えられる時間が大好きだった。
「しおん?」
「んー?」
「すき」
「せかいでいちばん」
「ありがと、」
「しおんは?」
「ん?俺も」
26
#ロゼ
りずむ
1,102
「世界で1番すきだよ」
「じゃあすることは?」
ちゅ、と響く甘いリップ音。
「これが欲しかったの?」
「…もっと」
「らぴはいけない子だね」
「ここ学校だよ?」
「一応生徒会役員だったよね」
「俺そこまでするって言ってない、」
「今のはしおんが悪い。ばか」
「俺も何も言ってないけど?」
「…なんでそんな顔赤いの?笑」
「…赤くないしっ!!」
学校で、初めて身体を重ねてしまった。
誰にも言えない。墓場行き。
でも何故かあの1回が1番気持ちよくて、
1番幸せだった。
多分、背徳感。
余韻で漏らす乱れた息の中。
「らぴはさ、」
「俺といない方がいいと思う。」
どっかで聞いたような言葉。
「なんでそんなこと言うん、」
どっかで言ったようなセリフ。
彼はあの時、
こんなこと言ったっけ?
コメント
1件
おお、第2話…これは切ないですね。海辺のシーンから、しおんが突然手を離して嗚咽を漏らすところ、「俺に怒っていたんだろうな」と振り返る主人公の視点が胸にくる。そして最後の「俺といない方がいい」という言葉。2人とも同じようなセリフを繰り返してるのが、運命のループみたいでゾクッとしました。背徳感の描写も生々しくて、続きがすごく気になります。Rさん、繊細な心情表現が本当に上手ですね。