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次の日、日記を開くと、相変わらずページは増えていた。

でもどこか違和感を感じた。

違和感の正体はすぐにわかった。

少女の雰囲気がいつもと違かった。

そう、明るい少女はそこにいなかった。

『9月21日

彼と出かける約束をした。

きっとこれで、彼と出かけるのは最後になるだろう。

優しい彼とはもうお別れ。

いつも一緒にいて、私を支えてくれた彼。

もう、解放してあげようと思う。

いつまでも弱い私じゃ駄目だ。

彼に依存して、頼りっぱなしじゃ駄目だ。

私に誰かを頼る権利なんてない。

私に、


幸せになる権利なんてない。』

彼とのお別れの話だった。

つい最近まで楽しそうに日記をつけていた彼女と同一人物とは思えないその変わりように違和感を感じざるを得なかった。

でもそこで、気づいたんだ。

屋上で出会ったあの子が言っていた、彼女の秘密。

それが何か関係しているのではないか。

だとしたらそれは一体なんなのか。

そもそも彼女は今どうしているのか。

なぜ、俺がこんな不思議な経験をしているのか。

考えれば考えるほど、疑問は増えていく一方だった。

どうしてこうも、彼女のことが気になるんだろう。

彼女との関わりは日記だけなのに。

不思議と、自分のスマホに目を落とすと、付いているキーホルダーに目が行った。

今までは気に留めていなかったが、ふと、小さく、何かの日付が付いていることに気づいた。

2021年9月3日。

日付と一緒に刻んであったのは、Iの文字。

イニシャルなのか…?

でも、自分の名前は優であって、イニシャルはYのはず。

だったらこのイニシャルは誰のものなのか。

自分には友人も、恋人もいないはずなのに…

そう思った途端激しい頭痛に見舞われた。

そして、気付いたんだ。

日記の彼女の誕生日は9月3日。

少女の名前は知らないけど、もし、少女のイニシャルがIから始まる名前なら…

少女の言うY君とは、俺のことなのか…?


彼女の残した日記

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