テラーノベル
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注意喚起は1話にあり!
すたーと!
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「ボスーッ!!返事してくれーッ!!!」
無線はもう反応しない事は分かったから、必死に廃ビルに呼びかける叶は、この事態を重く受け止めていた。
廃ビルに乗り込もうとしても、純粋な戦闘能力と人数差で押されてしまう
しかも警察とも手を組んでこれだ。
「ボスッー!!!!」
バンバンッ!!
「ちッ…!クソがッ…!」
「叶さんッ!一旦戦闘戻るよ!!」
銃弾が僕の頬を掠める
鴉の闇医者ことメイカさんの声でふと我にかえる。頭を軽く左右にふって、頭の中のうるさい音をかき消す。
落ち着け
落ち着かなきゃダメなんだ
「とおこーッ!!!」
「とおこさぁーんッ!!!」
「とおこちゃんッ!!!」
救急隊と警察の声が飛び交っている。その口から出る言葉はほとんどがとおこさんの名前だ。
1部のカプ厨がなにか緊張を解すためになにかをほざいているが、まぁ聞かなかった事にしよう。
【こちら不破!敵がクソ強い!】
【こちらエビオ、ヘリ1枚落とした】
【ーーーーーーーーー】
【ーーーー……
無線に飛び交う声の中に、ボスは居ない。
葛葉は、居ない。
ふわっちの様に、雰囲気を重くするのを好まない人はいつも通りな口調で話すが、無線にはただよらぬ空気がする
「ふー……」
銃の球をリロードする。呼吸を整える。
ヘリから少し顔を出す。トリガーを構える
バンッ!!
1発、相手にお見舞いする。
相手が着実に減っているのは確かだが、こちらが消耗されている事も確かだ。
「メイカちゃ〜ん!もーちょい近づけるぅ?」
「別にそんな媚びた声しなくても、ボスを救うためならしますよ…っと!」
【こちら叶、もう突っ込むわ】
【テメェ馬鹿か?!】
【死ぬ死ぬ!!】
【いやでもそれしかないか…ッ 】
【了解です!】
【把握】
1番最初に渋谷ハル、叢雲カゲツ、リモーネ先生が各自に自分の意見を述べる
ぺいん医院長と釈迦ちゃんは軽くあしらう
ほかのメンバーは、今更僕を止めても意味ないと思っているのか、軽い応援の言葉を貰う
もうちょっと盛大に応援して欲しい
「まぁ、いっか〜…」
廃ビルに近づくと、もちろん銃撃音が酷くなる
メイカさんの苦しむ声が聞こえる
だいぶ苦戦している様だ。頑張ってくれ。
「……は?」
屋上の方を見たら、扉が開きそうになっていた
もしかして敵かと思い、思わず銃を構える。
しかし
出てきたのは葛葉と、とおこさんだった
なぜかとおこさんの方だけ足枷をされており、
いわゆるお姫様抱っこというものをされている
一旦スマホを取り出し、写真を撮る
題名は「俺の姫」だろうか。まるでホストになってしまったが、まぁいいだろう
「葛葉ーッ!!とおこさーんッ!!」
「え”ッ、居たんすか?!」
「居た!報告よろしくッ!」
隣で慌ただしく無線に状況を説明するメイカさんの声からして、あからさま嬉しそうな事が分かる。
僕もコレが最後だと、力を振り絞り2人を呼ぶ
しかし
「聞こえてねぇッ……!」
この騒音の中。この距離でさすがに聞こえる訳も無い。それになにか…
嫌な予感がする
「ッ?!」
2人が
「いやいや嘘でしょッッ?!?!」
屋上から空中向かって飛び出してきた
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