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ヒトリシズカに【小説版】
2歳くらいだっただろうか。
僕は何が起こっているかはその頃は知らなかったが、 お母さんはお父さんと大喧嘩をしていた。
『もう良いわ‥‥。貴方には愛想を尽くしたのよ‥』
お母さんは鋭い瞳でお父さんを見つめてた。
お父さんはそんなお母さんの無表情で鋭い瞳を見て更に怒った表情をして
「何言ってんだよクソ女!!」
と殴りかかりそうな勢いで言った。
お母さんはそんなお父さんを見ても、冷静に、そして冷酷に
「そういうすぐキレる所嫌い。‥それにイーター。。‥私子供嫌いなのよ。」
あんな子産まなければ良かった〜‥、、とため息を吐いてだるそうな顔をしている。
お父さんはもっと怒った顔をして
「クレマチスの事は関係ないだろ!!」
そう言った。
僕は『おかあさん、おとうさん、あそぼ、』
小さくそう言った。
お母さん、お父さんも僕を見ずに口喧嘩をしている。
あまりに僕の声が小さかったのか、聞こえてないふりをしているのか分からない。
お母さんは呆れた顔をして、玄関のドアを開けて
「Auf Wiedersehen.(さようなら)」
それだけ言って外に出て行った。
お父さんはそんなお母さんを見て、追いかけなかった。
僕が4歳になった頃
お父さんは僕に暴力を振るようになった。
最初暴力を振るようになったのは、僕が一言
『お母さん、はどこ?』
そういった事がお父さんの地雷を踏んだのか、お父さんは煮えたぎる様な苛ついたような顔をして、僕を殴った。
僕は状況を理解できずに、殴られた部分を押さえながら怯えた表情をした。
僕が5歳になって現在。
そんな事を思い出していたらお父さんがこっちを横目で見て
「おい」
と言ってきた。
「ムカつく顔しやがって、こっちを見てくんなよ‥、、」
そう言いながら近付いてきた。
僕は何をすればこんな事をされなかったのか、産まれたのが間違いだったのか。
お父さんは僕の首に両手を伸ばして、首を絞めてきた。
首を絞める音は毎日聞こえる。
僕はこの音が嫌いだ。
地面に乱暴叩きつけられて、首を強く絞められる。
『カヒュー‥ゲホッ‥おえ”、フゥー‥‥ゲホッ、、』
嗚咽に近い咳込みをした。
無意識に足をバタバタして、抵抗をしていた。
「抵抗すんじゃねぇよッ!!」
抵抗したことにムカついたお父さんが、僕の顔面を遠慮もなく、殴る。
僕の顔面には血が付いて、凄く痛い。
それでもやめずに、次は立ち上がって、僕の事を思い切り蹴る。
『痛い‥‥痛い‥ごめんなさい、、』
僕は涙をポロポロ流しながらただ謝るしかできなかった。
『殴らないで‥‥お父さん‥』
そう言っても首を絞める手は緩まない。
お父さんはもっと怒った顔をした。
「お前みてぇなクソ息子じゃねぇよ!!」
存在を否定された。
僕はその言葉を聞いて更に涙が出た。
お父さんはそんな泣きじゃくっている僕を見て、汚い雑巾を何処からか持ってきて、
「泣くんじゃねぇよ!!」
そう怒鳴り声を出しながら、僕の顔全体を汚い雑巾で、覆い押さえ込んだ。
苦しい。凄く呼吸がしづらくて、痛い。
死を直感して、弱い声を出す。
気が済んだのかようやく雑巾を外して、ソファに座った。
僕は過呼吸になりながらも呼吸をした。
「おい」
お父さんはそう言った。僕は慌てながら、正座をしてお父さんの正面の床に座る。
「取ってこい。」
ただその言葉だけ言った。
僕は鞄を持って外に出て行き、街の方に歩いていく。