これは、男子中学生2人の長いような短いような叶わぬの恋の物語。
ー主な登場人物ー
高木 怜 (タカギ レイ)(主人公)
笹倉 陽 (ササクラ ハル)(高木が恋する男子)
佐々木 斗真(ササキ トウマ)(担任)
(高木と陽は14歳、中学生2年生の男)
キーンコーンカーンコーン
今日も学校内に休み時間のチャイムが響く。皆は騒ぎだし、校庭でサッカーをしている。
僕は運動も出来ないし友達も居ない。だから休み時間は図書室から借りた小説を読んでいる。でも、そんな僕に今好きな人がいるんだ。
「おーい高木!また教室の隅で本読んでんのかよ!」
これは同じクラスの笹倉君。毎日休み時間に僕の所へ来る。
「高木ってさよくそんな本読めるよな。それも毎日。」
「僕は休み時間暇だからね。これくらいがちょうどいいんだ。それに面白いし。」
と僕はいつものように答える。
「へー変わってんな。」
と笹倉は答える。
こんな僕に毎日話しかけてくる笹倉が好きになった。”男”なのに
休み時間が終わり、午後の授業が始まる。午後の授業は国語だ。
『じゃあ皆、この時の主人公の気持ちを集まって考えろ。』
「ねぇ笹倉。」
僕は笹倉に声をかけた。
「……」
(またかよ。)
笹倉は午後の授業居眠りしている。
だから話し合いもできない。笹倉が唯一の友達だからだ。
キーンコーンカーンコーン
しばらくたち、午後の授業が終わり下校時刻になった。
皆は遊ぶ約束などを話しながら帰って行く。
「笹倉。もう下校だよ。」
「んー、もうそんな時間か…」
笹倉は眠そうな顔で答えた。
「なぁ今日コンビニ寄らね?俺奢るからさ」
「えぇ、面倒くさい。」
「いいじゃんいいじゃん」
「仕方ないな。」
駅の近くまで来たのに、笹倉はそういう。面倒だけれど、いつも着いて行く。
断りたくても断れない。身体が勝手にそう言うんだ。
「じゃあな!高木!」
「うん。また明日。バイバイ」
と挨拶をして家に帰った。
僕は母子家庭だ。
僕が小学生の時に不倫が理由で離婚した。
母親は深夜まで帰らない。
いつものように台所には
「ごめんね怜いつものようにレンジでチンして食べてね」
とメッセージの貼られたサランラップに包まれていたのは僕の好きなオムライスだった。
僕はさっさと食べてしまおうとオムライスを口の中へ運んだ。
僕は課題をしようとした。今日の課題は国語だった。
始めようとしてたら携帯の通知音部屋に響いた。
「高木~俺午後の授業寝てたから何も分かんねー。答え教えてー」
と笹倉が送ってきた。
「もう分かったよ。」
僕は答えた。
答えたくはなかったのに。また身体がそうしてたんだ。
課題が終わり。僕は深い眠りについた。
また明日。憂鬱で変わらない日が待っているんだと。
僕は一滴の涙をスーっと流した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!