今日も学校が始まった。
(明日は休日か。家でゲームでもしてよう。)
『皆おはよう。今日は笹倉が欠席だ。』
今日は笹倉が欠席だった。つまらない一日になりそうだ。
キーンコーンカーンコーン
お昼休み。
僕は小説を読もうとした。だけど、集中出来なかった。
いつもは集中出来るのに、笹倉の事が気になって読めなかったんだ。
仕方ないから今日は屋上に行くことにした。
僕は青空を見た。
その時ふと頭に
笹倉が居なければ僕はここから飛び降りていたんだろうな。
そんな事が浮かんだ。
僕は涙を流した。もし、笹倉の体調が悪く、病気だったらどうしようか。
そのまま死んでしまったら。そんな事を考えた。
(そんな事ないあんなに元気な笹倉が。)
僕は首を小さく振った。
午後の授業が終わり、僕は家へ帰った。
ガチャ
玄関の扉を開け、部屋へ行こうとした時、
「怜。」
僕は足を止めた。
小さな声で僕の名前を呼ばれたから。
台所の方を覗くと、そこには暗顔で下を向きながら座っている母さんだった。
「母さん?」
僕は聞いた。
「怜、大切な話があるの。座ってくれない?」
僕はどうせ人間関係だろうと思い母さんの前に座った。
「怜、実はお母さん」
(ドッドッドッ)
僕の心臓の音がドンドン大きくなっていく。
「再婚しようと思ってるの。」
母さんは震える声で言った。
「え?」
僕は思わず聞き返した。
「ずっと前にバーで知り合った人なの。お金もあって、かっこいいのよ。」
(…)
「ご、ごめん僕課題あるから部屋に戻るね」
僕は少し焦った。
部屋に入り僕は考えた。
どうしてだろうか。
僕は怒りと悲しさが混じりあった自分でもよく分からない感情になり、
また無意識に”涙”を流していた。
はぁはぁ……
僕の息はだんだん荒くなり、苦しくなっていく。
(大丈夫、大丈夫)
と自分に言い聞かせた。
チュンチュン
鳥の鳴き声が聞こえた。
どうやら僕はそのまま寝落ちしてしまったようだ。
時刻は午前6時
部屋の窓を開けると、涼しくて優しい匂いの風が僕の頬を撫でた。
小鳥の鳴き声が空に広がった。
「いいなぁ…」
僕は思わずそう口にした。
大きい翼を広げ、自由に何も考えず大空を飛んでいる小鳥が羨ましかった。
来世は鳥になりたい。と心の底で小さな願いを抱いた。
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