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狭く湿った地下道を、紗羅は膝を擦りながら進んでいた。天井は低く、頭を少しでも上げれば岩にぶつかる。

足元は泥水が溜まり、冷たさが骨まで染みた。


健、ちゃんと来るよね……?


後ろを振り返っても、そこには真っ暗な闇しかない。

遠くで、金属がぶつかるような音と怒鳴り声が響いている。

健がまだ看守たちと戦っているのだろう。


「早く……」

心臓が早鐘を打つ。

でも前に進まなければ、ここまでの健の行動が無駄になる。


やがて、微かに光が見えた。

出口だ。

紗羅は這いながらその光に向かい、外の冷たい空気を吸い込んだ。


その瞬間、背後から水を蹴る音が近づいてくる。

「……健?」

返事はない。

代わりに、暗闇の奥から低い唸り声が響く。

狼の、それも化けオオカミのような重く低い声。


紗羅は息を呑み、その場に立ち尽くした。

次の瞬間、黒い影が勢いよく飛び出してくる……。

月夜に吠える、君の名を 《続》

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