テラーノベル
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皆を守れ!
「ライト!!」
キィーーーン
全員に結界をはる。振り下ろされた枝は透明な盾に全て弾かれていた。
「これは――」
ルードが、反応している。もう、隠せない。でも――、
「サラ、あのトレントを何とか出来る?」
「んー、あのサイズになると真名を呼んで浄化しないとかも」
スッとサラが横に現れる。
「ルミナちゃんを助けたい」
「なら、水と光の両方で結界を彼女にはっておけばいいわ。まあもう出来てるみたいだけど」
「お願い、教えて」
サラが困った顔をしていた。
「真剣な顔をしなくても大丈夫よ。ちゃんと教えるわ。あんまり可愛くないんだけど、アタシの真名はね――」
耳元ではっきりと告げられる。私はこくりと頷いて彼女に命令した。
あのトレントを浄化して!
「イフリート!!」
青色の炎を纏ったサラが、トレントの足下に向かい樹皮に手を触れる。クスリと妖艶に微笑んだあと、青い炎が爆炎となってトレントを包み込んだ。
ゴォォォォォォゥ
燃え上がる音が響き渡る。青い炎と共にキラキラと光が天へと昇っていく。この光景は前に見た、予言の魔物を浄化した時の光と似ている。
「ルミナ! ルミナ!」
アミスが必死にルミナの名を呼んでいる。
「ウォータ! はやくあの火を消しなさい! ウォータ!」
何度も水の精霊の名前を呼んでいるが、魔法が発動することはなかった。隣に立つ、ウォータと呼ばれるあの男の人はフルフルと首を振っていた。
青い炎がだんだんと小さくなり、光も消えてきた頃、アリスが跳び、小さなルミナを見つけて戻ってきた。
火傷などは見当たらないけれどその顔に、生気はない。
「毒が体の中に入りすぎている」
「そんな、どうすれば?!」
「彼女にお願いするしかない」
ウォータとアミスがこちらに顔を向けてきた。え、私?
「水の浄化魔法で体の中の毒を浄化してもらおう」
「水の魔法なら私が!」
「彼女でないと、無理だ」
何故? ただ、わかるのは、私がルミナを救えるということ。
「やります! 教えて下さい」
「ただ、そいつと同じ手に我らの指輪を渡したくない」
え、えーっと。サラが私の横に戻ってきて何故か威嚇している。
「彼女の連れならそこの獣人が相性が良さそうだ。彼に契約してもらおう」
話が見えません。アリスと契約? ってどういうこと?
「アリスト様、水の精霊と契約しルミナを救って下さい!」
涙を流しながらアミスがアリスに詰め寄り懇願する。アリスはというと、困惑している。
「契約の指輪は彼にしてもらい、お前が彼に触れれば指輪の力を使える」
そう言ったあと、彼の横にミニライト達と同じくらいの大きさで銀の瞳を持ったミニウォータが現れた。
「お呼びですか?」
「我の名を彼女に貸す。お前が契約しろ」
「そんな、わたしはルミナ様の――」
「そのルミナの危機だ」
「……はい」
「そこの獣人に伝えろ、契約はお前だが魔法を使うのは」
「私ですね」
アリスに契約してもらうけれど、私が魔法を使う。アリスと手を繋げばいいってことで間違いないのかな?
「そうだ」
「国に縛られる契約ではないですよね?」
「我の花嫁はすでに決まっている」
ウォータは真っ直ぐとアミスを見る。やはり、聖女の契約を交わしているのだろう。
「アリスちゃん!」
私はアリスに近づいて説明をした。ルードは、深刻そうな顔をしながら、ことの成り行きを見ていた。
「わかった、ボクが契約すればいいんだね」
「うん」
「了承を得た、わたしの指輪だ」
そう言うと、ミニウォータはアリスの右手の中指にスルリと指輪をはめた。
「ルミナ様を救ってくれ」
「アリスちゃん手を」
アリスが右手を私に差し出す。私はその手をとった。
「我はウォータ、真名をウンディーネ」
手を繋ぎながら私は命令する。
この毒を全て洗い流せ!
「ウンディーネ!」
コメント
1件
めっちゃ熱かった!!サラのイフリートが炸裂した瞬間からもう鳥肌だったんだけど、最後の「ウンディーネ!」で決める流れが最高すぎる。手を繋いで魔法を使うって設定、仲間との絆が可視化されててグッときた。アリスも契約役買って出てくれてかっこよかったし、主人公の「皆を守る」覚悟がちゃんと行動になってるのが好き。続きどうなるか楽しみすぎる🔥
ひでお
190
羽海汐遠
14,514