テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ミィコは部屋の窓を開け、蒸せるような空気の中で空を見上げた。陽射しがじりじりと頬を焦がし、首筋を汗が伝う。
彼女は目を閉じて深呼吸をひとつ。夏の重さを吸い込むように、胸いっぱいに空気を満たした。
遠くで蝉の声が響く。
肌にまとわりつく暑ささえも、自分を奮い立たせている気がした。
「まだ……夏は始まったばかりだ」
小さく笑みをこぼし、首を振って汗を払い落とす。
窓枠に手を置くその姿には、静かだけれど確かな決意がにじんでいた。
──その頃。
セバスは薄暗い部屋の中でペンを握っていた。
イラストの締切は目前。積み重なるプレッシャーと疲労が、彼の肩を重たく押しつぶす。
だけど、不意に彼女の歌声が心をよぎった。
セバスはそっとペンを置き、目を閉じる。
机の上に散らばる未完成の絵が、その葛藤の証だった。
外から聞こえる蝉の声が、彼の耳を打つ。
「ミィコ……頑張れよ」
届かぬ想いを胸の中だけでそっと呟いた。
ミィコは再び空を見つめる。
首筋を撫でながら、これまでの痛みと向き合い、そして握りしめた決意を胸に確かめる。
手を高く伸ばし、太陽に向かって拳を握りしめる。
スターライトフェス本番へ向けて。
廊下を踏み出すその足音は、静かに、しかし確かに未来を刻んでいく。
ミィコの瞳には、燃えるような想いが宿っていた。
「この熱さを、未来へ繋ぐために。」
#スターライトフェス #ミィコの決意 #配信者の日常 #夏の物語 #絆のドラマ #歌ライバー #セバスの想い #声のチカラ #夢を追いかけて #エモい配信
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!