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ちゃ
佐野と吉田が付き合って2週間。
佐野から相談を受けていたメンバー3人、曽野、山中、塩﨑は、佐野からの付き合えた報告に自分のことかのように喜んでいた。
付き合う前より愛情表現が増した佐野に対し、
吉田はいつも通りを意識しているのか、あまり普段と変わらず生活している。
「じーんと」
「わっ、何はやとびっくりした、、。近くにいるなら言ってよ、ばか」
でも佐野と2人きりの時には少し柔らかくなる。
佐野への感情を抑えに抑えていた反動だろう。
「なぁ、この後と明日って空いてたよな?」
バラエティ収録の合間、たまたま2人きりの楽屋で佐野が突然話しかける。
「え、空いてるけど、」
「おっけ!じゃあ俺の家泊まり来てよ!決まりだな!」
「……楽しみにしてる」
「おっ素直になったな~」
いつもなら渋々了承する吉田。
思ったよりも早い承諾に佐野は少し驚いた。
俺後1個だけ仕事があるから先家で待ってて!、と佐野から鍵を渡される。
「ちなみにそれ、じんとにプレゼント」
鍵についてある物をよく見れば、黄色の星の模様が入った本のキーホルダーで。
「一目見てこれじんとだ!ってなってさ」
じゃ!と手を振り楽屋を後にする佐野。
『こんな幸せでいいんだ、俺』
一度は墓まで持っていくと決めた恋。
叶うことないと思っていた恋。
吉田は幸せを噛み締めるように、受け取った鍵を見つめていた。
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佐野との別れから数時間後。
吉田は貰った鍵で佐野の家に入り、待っていた。
あたりは既に暗くなっていて窓からは綺麗な夜景が映っている。
YouTubeやインライでの佐野飯企画で何回か来ているはずなのに吉田は緊張してしまう。
よく座っていたソファも、騒がしくしていたキッチンも部屋の匂いも全て新鮮に感じた。
恋人になって初めての、お泊まり。
『はやと、早く帰ってこないかな』
ソファに座り込み佐野から貰った鍵を握りしめる。
この待ち時間も幸せに感じていた。
待ち続けて30分、玄関からなにか物音。
「…!はやと」
ドタドタとだんだんでかくなる足音がする方を覗けば。
「じんと!!!!お待たせ!!!」
右手にレジ袋をガサガサと揺らしながら佐野はあの屈託のない笑顔で帰ってきた。
吉田の顔を見るやいなや、中身を気にせずレジ袋をテーブルにぶん投げハグをする。
お互いの心臓の音が聞こえそうなぐらいに締め付けられた吉田は驚きながらもそっと抱き返した。
「…ちょっと強ぇよ」
「はぁーもぅ、疲れ吹っ飛んだわー」
「俺痛さ貰ってんだが」
10分ほど抱きしめた後、佐野の提案でご飯をご馳走になる事になった。
8割吉田が手伝う形となったご飯を頬張り、食事をすませる。
「殆ど俺が手伝ってんじゃん」
「まぁいいじゃん楽しかったし」
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バタバタの晩御飯から1時間後。
シャワーを借り先にベッドの上に横たわっている吉田。
佐野のシャワー終わりを何もせずただ静かに待っていた。
『泊まり…だけど、する、のかな』
恋人になって2週間。
未だにキス止まり。
『…どうしよう、重いとか、思われるかな』
吉田はあることに悩んでいた。
『でもはやとなら』
「ふーっ、シャワー上がったよ!!あれ、じんと?」
遠くの方で佐野の声。
寝室に姿を表せばズボンだけ履き上半身は何も着ていない状態だった。
「ばっ、、、おまえ風邪ひくって」
「そんなすぐ風邪ひくほど弱くないもーん。すぐ髪乾かしてくるからそこで待ってて、ね?」
『はやとの身体、綺麗だな、』
遠くからのドライヤーの音も掻き消えるぐらい、吉田は緊張の音に溺れていた。
何とか紛らわそうと布団に包まる。
だが、佐野の匂いに包まれ余計に心臓の音がうるさくなってしまった。
『あーくそっ、』
やけくそになり布団を蹴っ飛ばそうかとした時。
「爆速で終わらせてきたわ、ってじんと」
佐野が戻ってきた。
「なぁーに、そんな可愛いことして」
反撃しようにも見られた上に、さっきと何も見た目も変わらない佐野にドギマギし何も出来ない吉田。
「緊張しちゃった?」
佐野はベッドの上でくるまる吉田をジリジリと攻めていく。
やがて佐野は吉田に覆い被さる形に収まった。
「ねぇじんと」
「…っ、何…?」
「俺、もっとじんとのこと愛したい」
そう言って佐野は吉田の身体をさすさすと撫でる。
「ね、良い?」
「…っ!」
少しの間の沈黙。
「…嫌だった?」
「ううん、、、でも俺、」
「うん」
「…初め、て、、、」
「…そっか。優しくする。だから、良い?」
はやとだから。
そう心に決めて。
「…いい。はやとになら、いい。」
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