テラーノベル
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170
(☕️視点)
今年も、
……この季節が、やってきた。
「……っ、〜、、あっつぅ…っ、!!」
うだるような暑さに目が覚めて、思わずそう声を上げた。
開けっ放しの窓から鳴り響く蝉の声が、さらに体感温度を上昇させていく。
じわじわと吹き出していく汗と、
……お腹と、背中に感じる熱さ。
「っ、…ラン、!おまっ、、あつい、!!」
「、んん……、え、、?」
俺をぎゅっと後ろから包み込んで、がっしりとお腹に手を回して寝ていたランを叩き起こすと、眠そうに目を擦りながら、離れるどころか擦り寄ってくる。
「、おま…っ、おいっ、暑い言うてるやろ、!/」
「んん、クーラーつければええやん、、」
「っ、、/ほんまに、こいつ……っ、」
俺の訴えをさらりとかわし、マイペースにそんな事を言いながら、まだ眠気眼のまま俺を引き寄せるラン。
そんな様子にたじたじになって、エアコンのリモコンに手を伸ばした。
涼しい風が届き始めるも、密着した体温は下がらないままで。
「……っ、ふ、あっつ。笑」
「…おい、誰がクーラーつければええ言うたねん。笑」
「……カイリュウが悪いんよ?」
「は?なんで俺やねん、」
「もう抱っこしとかんと寝れんもん俺、」
「っ、、しらへんわんなもん、/」
「…ねーかいりゅう、こっち向いて。」
「……いやや。」
「なんでよ、」
「なんか嫌な予感すんねん、」
「……じゃー俺からいく。」
「っ、はっ、?らんっ、…ちょっ、、!」
ぐっ、と一瞬肩に重さを感じて、布団に背中が引っ付いて、あっという間にランに見下ろされる。
「ふふ。…おはよ、?」
「っ、、/…おん、…はよ、」
なんやねん、、寝起きのくせに、
なんでいつもこんな男前やねん、、
ふわりと笑ったランの顔を見て、思わずそんな事を思いながらも、ときめいてしまう。
「……ねぇ、かいりゅう、?」
「…ん、?」
「……一年経ったね、?」
「、おん、…せやな。」
俺の胸に顔を乗せて、感慨深そうにそう言うラン。
早いもので、俺が上京してから、
今日で一年が経った。
この家に越してきて、少ししてランがあの日の言葉通りに、転がり込んできて。
それからずっと俺達は、なんだかんだそのまま一緒に暮らしている。
夢のデビューに向けて日々レッスンを受ける俺と、大手所属のダンサーを夢見てオーディションを受けるランは、お互いに忙しくて。
なかなか、2人でゆっくりできる時間は取れへんけど、
……その分、寝る時はずっとランが引っ付いてきたり、朝は毎日こんな感じで、隙があれば甘えてくるランに、俺も寂しさを埋めてもらっている。
……と、…まぁ、
なんやかんや、ありがたくて幸せな日々を送っている。
「……で、さぁ。」
「ん?」
「……俺達も、一年記念日を迎えたわけやん。」
「っ…、おん、、」
「昨日やったやろ?記念日。」
「まぁ、…うん。せやな、?」
「……昨日遅かったやん。かいりゅう。」
「…っ、いや、それはちゃんと連絡したやんけ…、」
「そうやけどさぁ…寂しいやん。記念日やで?…俺、ずっと寝んで待っとったんよ?」
「、しゃあないやろ、事務所の人に呑み誘われたねんから…、」
「…わかっとうよ。でも寂しかったんやもん。」
ずっと俺に上から抱きついたまま、胸の上で拗ねたように喋るラン。
付き合い始めてから、ランには寂しがり屋で、甘えん坊な面があることを知った。
…なんならほぼ毎日こんな感じで、子供やな、なんて思いつつも、正直言えば満更でもなかったりする。
「……まぁ、そらそうやな。…ごめんな、?」
「…許さんって言ったら?」
「っ…や、俺かて帰りたかったで…?」
「ねー?許さんって言ったら。」
「…っ、おま…、駄々こねんなや、、」
「、、だって。」
「、だって、なんやねん。」
「……記念日なのに、触っとらんけん。」
「っ、はぁ?!おま…っ!//おいただのスケベやんけ、!!//」
「……カイリュウはそれでもええんやな。」
「っ、え…っ、?」
「………俺は、触れたいよ?めちゃめちゃ。」
「っ、、//っ、あ、…あああほ、!//っおま、!…朝から何言うてんねん…っ、//」
「じゃあいつ言うねん。」
「……っ、、/い、ゃ、、」
怒っているのか甘えているのか、言いたい事を言って俺を翻弄してくるラン。
ただただ動揺していると、ランの手が頬に触れた。
するり、と親指で頬をなぞられ、ぴくりと反応してしまう。
少しの静寂と、俺を見つめる熱を帯びた目に、胸がぎゅっと熱くなる。
「……かいりゅう、?」
「っ、、ん…、?」
「……好きだよ。」
「……っ、…らん、、」
ランの親指が、頬からそっと、
唇に触れてくる。
その感触に、言葉に、
愛おしそうに俺を見つめる目に、
全てに、胸が高鳴って。
手を伸ばして、ランの肩に触れた。
「……、好きやで…、?おれも、」
「…っ、かいりゅう、、っ、」
指が離れて、代わりに唇が重なって。
離れた指が、髪に絡んでいく。
「、ん…っ、ぁっ、…らん、、っ、」
「っ、は、…かい、りゅ…っ…、」
首に唇の感触が移って、服の中にランの手が滑っていった時、ふと壁に掛けている時計が目に入った。
、……ん、?
「っっっ、!!!あっかん!!!ちょっ、ラン!!!時間!!!」
「っ、え、?!なん…っ、、あ!!!」
慌ててランを掴み揺さぶると、俺の声に反応して時計を見たランが飛び起き、2人で焦りながらベッドを降りる。
「ちょっ、あかんって間に合う?!?!」
「間に合わせるしかないやろ!俺タクシー呼ぶけん!」
記念日に浮かれたのも束の間、大事な予定の時間が迫っている事に気付いて、慌てふためきながら、バタバタと出かける準備をして、急いで家を出た。
***
『ナオヤ:ねぇ!みんなで花火大会行かへん?』
数週間前、ナオヤからそうラインが送られてきた。
俺の送別会をしてくれたあの日、ナオヤが撮ってくれた集合写真を送るという名目で、作られた8人のグループライン。
それ以来、ナオヤを筆頭にグループはちょこちょこ稼働し、海の家の様子や日常の写真なんかを送り合ったりしていくうちに、たまにみんなで電話したりもするようになって、俺達は少しずつ仲を深めていった。
そんな中で来たナオヤの誘いに、俺とランが既読をつける頃には、すでに全員が賛成の返事をしていて。
その後はずっと、”帰ってきてよ”と俺達に帰省を促す会話が続いていた。
嬉しくなって、思い切って帰るか〜なんて話しながら、ランと同時に返事を返したのだった。
その花火大会というのが、まさに今日で。
2人でスケジュールを調整して、ばっちり予定も立てたくせに、……つい、目の前の熱に浮かされて。
急ぎ足でタクシーに乗り込み、空港へと向かった。
……
「……はぁ〜、、まじ間に合わんかと思ったわ…」
無事に搭乗手続きを終え、飛行機の座席に座りながら、ランが安堵した言葉を漏らす。
「ほんまやで…っ、あ〜〜疲れたぁ〜、、」
「…ふっ。笑」
「……なんやねん。笑」
「……あのまま時間過ぎとったらさ、理由話せんやったな。笑」
「っ、/おい、蒸し返さんでええねん…っ、」
「……でもちょっと、…いや、だいぶ名残惜しいけど。」
「……っ、しつこいねんあほ。/」
俺の肩に顔を乗せながら、そんな冗談を言うランに恥ずかしくなりながらも、軽く俺の手を握ってくるその手を、少しだけ握り返した。
***
「うぁ〜、着いたぁ〜。」
飛行機を降りて、空港内を歩いていると、すれ違いざまに聞こえてくる関西弁に懐かしさが立ち込める。
「…やっぱええな、関西弁。落ち着くわ。」
「カイリュウ、東京行っても全然抜けんもんね。笑」
「お前かて抜けへんやろ?ええやんけ、そこは染まらへんでも。」
「っ、ふふ。うん。…なんか、前にもそういう事言ってくれたよね、」
「そうやっけ?」
「うん。…俺、結構あれ響いたもん。」
「そうなん?ならええけど。笑」
そんな会話をしながら空港から外に出ると、日差しが一気に襲ってきて、思わず手を額にかざして遮った。
「うぁ、あっつ、、!」
「うわーいい天気、めっちゃ花火大会日和やん。」
暑さにやられる俺の横で、空を見ながら呑気にそんな事を言うラン。
お気楽やな、なんて突っ込みたくなって隣に目をやると、ランの向こうから見覚えのある姿が近づいてくる。
「……っ、おい、ラン。笑」
「え、?…あ。笑」
ランを叩き、向こう側を指差すと、そっちに顔を向けたランが小さく笑う。
徐々に距離が近づくにつれ、
……3人で同時に、にやにやと顔が崩れていく。
「っ、おぉい!なんやねんっ、気付いとんなら手振るとかなんかあるやろ!笑」
「お前がカッコつけて歩いとるからや。笑」
俺達の前まで来ると、サングラスを外しながら、そうツッコミを入れてくるセイト。
「てかお前ら俺の電話無視すんなって…迎え行く言うてんねんから、着いたら連絡せぇよ!笑」
「今しよう思ったとこやんけ。笑」
「今出たばっかやもん。笑」
「お前らほんま…っ、、は〜ん、あれやろ。どうせイチャこいとったんやろ?笑」
「っ、ちゃうわあほ、!あっついねんからはよ車乗せろ。」
「照れんでええって。笑 はいはい、じゃーついてきてや?」
そのままわちゃわちゃと3人で会話をしながら、セイトの車まで歩いていく。
車に乗り込み、セイトがハンドルを握ると、ふいにバックミラー越しに目を合わせてきて、少し照れくさそうに口を開いた。
「……久しぶりやな。笑」
「ふはっ、…お前それ、会って一番に言うやつやねん。相変わらずアホやな〜、笑」
「ええやろ、!今改めて思ったねん!ほんで相変わらずよう喋る口やな。笑」
久しぶりの再会に、少しだけ擽ったくなるような距離感を感じながらも、いつものセイトの雰囲気に嬉しくなる。
車を出発させると、セイトが再び口を開く。
「ラン、毎日一緒で疲れへんの?笑」
「いや、意外と家じゃ喋らんのよ。笑」
「え?そうなん?ずっとうるさいんかと思っててんけど」
「おい誰がやねん」
「……あ、さては、ランとおるときは喋らんと甘えとんのやろ〜?なーそうやろ?カイちゃん?笑」
「っ、/…お前なんか、、ナオヤに似てきてへん?」
「えっ?ほんまに、、?」
「え、分かる。今のナオヤっぽかった。笑」
「それ喜んでええやつなん?笑」
「あかんやろ。」
「あかんのかい。」
「ふははっ、笑」
俺達のやり取りにランが笑って、それにつられるように、車内が笑いに包まれていった。
***
「さ、着いたで。」
車のドアを開けると、
潮の香りがふわりと鼻を掠めて、
目の前に、あの海が広がっている。
賑わいを見せる海岸に、
ポツリと佇む、海の家。
ずっと何年も見慣れていたはずの景色が、
キラキラと、眩しく、輝いて見えて。
「うわ、…エモ。笑」
ぼそっ、と呟いたランの言葉に、内心共感しながら笑っていると、セイトが少し焦ったように声を出した。
「……ちょっ、まって。めっちゃナオちゃんからライン来てんねんけど。笑」
車を降りながら、スマホを眺めるセイト。
「え?…ナオヤ、店におるんやろ、?」
「おん。いやなんか、”ねぇまだ!!”とか、”いまどこ!!”とか…ぐふふ。かわええな、ほんまに。笑」
「どこが可愛ええねん」
「おい。笑 ……ナオな、カイリュウとランが帰ってくるの、一番楽しみにしとったんやで?もう待ちきれへんのやろ、可愛いやんか。」
セイトの言葉に、ランと顔を見合わせる。
思えばずっと、俺達8人を繋いでくれていたのはナオヤで。
あの誘いがなければ、ここへ戻ってくることも、なかなかできなかったかもしれない。
ちっさい頃から一緒で、ナオヤと離れた地で暮らしたのも、これが初めてだった。
……あいつ、ちゃんと元気にしとったかな。
「……カイリュウ、なんか緊張してへん?笑」
「っ、は?なんでナオヤに緊張すんねん、、はよ行くで……っ、」
小っ恥ずかしいような気持ちを必死に隠しながら、海辺に続く階段を降りていった。
***
(🦅視点)
「……かいりゅう、?俺から入ろっか?」
店の前まで来ると、途端にカイリュウからそわそわとした気持ちと緊張が伝わってきて、そんな様子に微笑ましくなりつつも、声を掛けた。
「……んや、」
「ん、?」
「……、らん、…いっしょに、入ってや、、」
後ろにいるセイトに聞こえないくらいの小さな声量で、俺の服をきゅっと掴みながら、なんだか恥ずかしそうにしているカイリュウが可愛くて、思わずにやけそうになる。
「ふふっ…、ええよ、?」
「ん、、」
言う通りに一緒に足を踏み入れると、懐かしい光景が目に飛び込んできて、働いていた時の記憶が蘇ってくる。
それと同時に、カウンターにいたナオヤが俺た達に気付くと目を丸くして、パァっと一気に明るい笑顔を見せた。
「カイリュウ〜!!ランちゃ〜ん!!わぁ〜!♡おかえりぃ〜!!会いたかったぁ〜!♡♡」
パタパタと駆け寄ってきて、俺達の手を取るとぶんぶんと振りながら喜ぶナオヤ。
「あははっ、ただいま、ナオヤ。」
「っ、おん、…ただいま…っ、」
ちらりと隣を見ると、照れくさそうにしながらも嬉しそうなカイリュウがいて、その表情が愛おしくて、つい釘付けになる。
「ん、?ランちゃん!も〜、ナオの事もちゃんと見てやぁ?笑」
「…っ、え、?あ、ごめん……っ、/」
「あははっ、なぁ今、カイリュウの事、かわい〜♡って思ってたやろ〜?なぁそうやろ?ランちゃん?♡笑」
「「……っ、ぶっ、」」
「え、?なに?」
「ふははっ、、!おまっ、やっぱ似とるやんけ…っ、笑」
「まんま同じやったわ、、っ、笑」
「おいまてや、ほんまやんけ…っ、笑」
「えっ、?セイちゃんまで何よ?仲間はずれにせんとって!」
ナオヤの口ぶりが、さっきのセイトにそっくりで、思わず3人で笑い崩れていく。
流れを知らないナオヤは頭にハテナを浮かべつつも、俺達が笑っている事でどうでもよくなったのか、えへへ、と一緒になって楽しそうに笑っていた。
「……で、セイちゃん、ちゃんとまだ2人に言うてへんやろなぁ〜?」
「言うてへんって!ナオが楽しみにしてんねんから、言うわけあらへんやろ?」
「おいなんの話やねん?」
急にナオヤとセイトが楽しそうにし始めて、俺とカイリュウだけが置いていかれていると、ちょっと待っててな〜?とナオヤが奥に消えていった。
「え?なんやねん、?」
「ええからええから、待っとってや。」
セイトに聞こうとするカイリュウの声を聞きながら待っていると、ナオヤが戻ってくる。
「っ、じゃ〜ん!!サプライズ〜♡♡」
「「っ、、え、?!」」
ナオヤがパッと身を引くと、後ろに2人の姿があった。
「っ…リュウキ、?」
「ハヤト、、っ?」
「カイリュウ、ラン兄、おかえり〜。笑」
「おかえりなさ〜い!笑」
「はっ、?お前ら、なんでそこにおんねん…っ、?」
そこにいたのは、
紛れもなくリュウキとハヤトで。
……その格好は、どう見ても従業員の姿で。
「んふふ♡実はな〜?カイリュウとランちゃんがおらへんようなってもうたから、今年は2人がバイトしてくれてんね〜ん♡」
「えっ?!そうなん?!」
「まじで…っ、?!」
「うん、そー。びっくりしたやろ?あ〜やっと言えた!まじずっと言いたかったんよね。笑」
「2人の分、ちゃんと働いてるから安心してね?笑」
思いもしなかったサプライズに驚きながらも、ニコニコしながら嬉しそうに報告するリュウキとハヤトが可愛らしくて、顔が綻んでいく。
「おー、ええやんええやん!でもおらへんくても俺がエースやからな、そこはしっかり覚えとけよ。」
「うわ、うるさ。笑」
「おいリュウキ、敬えやエースを。」
「あ、懐かしい、”エース”。笑」
「なんやねんラン、俺がずっとエースやったやろ。」
「ご飯作れんけどな。笑」
「おまっ、うるさいねん!笑」
「え、なんかハヤト達惚気けられてる?」
「どこで惚気けとん。笑」
ハヤトとリュウキにやれやれという顔をされ、少し照れていると、セイトが2人の肩を抱き、会話に入ってくる。
「こいつら可愛いねん、もう俺の弟。笑」
「アホな兄貴で可哀想やな。笑」
「おい誰がやねん!いやほんまに可愛がってるから。お前らよりかわいい。笑」
「「おい」」
「嘘やがな、笑 どっちも可愛いで?」
「ナオは?せいちゃん。」
「…そら、いちばんかわいいで、?」
「おい着いた早々イチャこくなや暑苦しい」
「うわーでた。セイちゃんの惚気。笑」
「いつものだ。笑」
「……あ、リュウキとハヤトにも伝わっとるんや。笑」
相変わらずのナオヤとセイトの愛し愛されっぷりと、すでにその空気を熟知しているようなリュウキとハヤトの反応に、一人でこっそり笑う。
「……ん?リュウキ、このグラスちゃんと洗った〜?」
「は?洗ったて!」
「ほんまにぃ?」
「うるさ!ナオくんこそさっき冷蔵庫開けっぱやったけん!」
「え!うそ!ごめーん!」
「大丈夫だよ、ハヤトが閉めたから」
「トムちんありがとう〜♡ほんましっかりしてて助かるねんけど〜♡」
「おい俺もしっかりしとうやろ!」
「あんたは一回口の悪さ直しいや〜?福岡のマミーに連絡すんで?」
「ちょ、それだけはやめて!」
「またバチバチしてる……笑」
狭いカウンター内でナオヤを皮切りになんだか小競り合いが始まり、すっかり名前を呼び合って仲良くなっている3人の姿に嬉しくなりながら、俺達もこんな感じで話しとったなとか、敬語使うなとか言われたな〜なんて、昔を懐かしんでいた。
「……んで、ナオちゃん、今日店何時までやんの?みんなで花火行くんやろ?」
「あ、うん!今日はお昼までにしてるから、もうそろそろ閉めるねん、セイちゃんとエイキは今日会社休みやろ?…リュウキ、たっくんは?」
「……あ、来た、笑」
「え、?」
リュウキが店の入口を嬉しそうに見つめると、その視線の先を全員で追う。
「あ、みんないる。笑」
「あれ、?カイリュウとラン、!もう帰ってたんや、おかえり…!」
たっくんとエイキが店に入ってきて、初めて見る組み合わせに少し驚きながら、俺とカイリュウがいない間に、みんなここで仲良くなったんやな、なんて感慨深くなる。
エイキとも、実際は数回しか会ったことなかったけど、グループラインのおかげで打ち解けて、今では友達のような関係になることができている。
「たっくん、エイキ、ただいま。」
「ラン、カイリュウ、おかえり。久しぶりだね、」
「おん、ただいま。なんや、そこそんな仲良うなったん?笑」
「うん、そうなんよ。さっきもそこでバッタリ会ったから、一緒に来てん。…たっくん結構俺の事好きやんな?笑」
「…まぁね。笑」
顔を見合わせながら、気が合っている素振りを見せる2人。
「ほーん、どこで接点持ったねん、?ライン?」
「いや、…2人にはまだ言ってなかったけど、実は俺、またここの担当してんだよね。」
「え?そうなん、?セイトやっとクビ?」
「おい!クビちゃうし、やっとってなんやねん!笑」
「……クビじゃないけど、まー立場は俺が上?笑」
「ん?どういうことやねん、?」
セイトが少し悔しそうな顔をするのを眺めながら、エイキがふふっ、と小さく笑った。
「俺、今年から課長になったんよ。」
「課長、?!は、出世したいうこと、?!」
「うん、まぁね。…で?セイトはなんだっけ?笑」
「お前…っ、俺も出世したやんけ!主任や主任!」
「それってどう違うねん?」
「まーつまり、俺がセイトの上司ってこと。笑」
「え、ほんまに?笑笑」
「おいカイリュウ!笑いすぎやアホ!!」
「お前が仕事せえへんと、ナオヤとイチャこいとるからちゃうん。笑」
「ま〜それはあるかもしらへんなぁ〜なんちゃってぇ〜♡」
「おい、ナオちゃん?ちゃうって…っ、てか俺がまだ担当やから!エイキは総括!俺がほんまの担当!!」
「だから俺もたまにここに顔出しとってさ。…それで、ここに入り浸ってるたっくんと仲良くなったわけ。なー?たっくん?笑」
エイキがたっくんの肩を抱きながら、顔を覗き込むと、少しだけ照れた顔をするたっくん。
「なに?たっくん入り浸ってんの?俺とランの時は来うへんやったくせに?」
「あははっ、たっくん可愛いねんで〜?危ないからってリュウキのこといっつも迎えに来てんねん♡」
「おいっ、ナオくん言わんでええて、!/」
「なんでよ!リュウキがナンパされるの嫌やからって、しょっちゅう見張りみたいに昼間も来てるやんかぁ♡」
「…え、?たっくん、そうやったと、?/」
「っ、ねぇそれ言わないでよ…っ、言わないって言ったじゃん、、」
「あっ、ごめんねたっくん?だって可愛いやんかぁ〜♡」
「え、俺、普通に遊びに来とるだけかと思っとった、/」
「たっくん甘々やんけ、笑」
「俺とカイリュウの時は来んやったくせに…笑」
「……それはごめん。笑」
冗談混じりにカイリュウに重ねてしつこく言ってみると、素直に謝ってくるたっくんに、幸せなんやなと微笑ましくなった。
「まぁ、リュウキがいるおかげでたっくんとも仲良くなれたし、…それに、」
エイキがそう言いながら、カウンターに頬杖をついて、ハヤトを真っ直ぐ見つめる。
「……可愛い子とも、出会えたし、?笑」
「っ、え、?//」
「なー!あんたさぁっ、ナオのときは、取引先やからって遠慮してへんかったっけぇ?!ずっと敬語じゃありませんでしたっけぇ?!」
「ん?あははっ、それは俺が新人だったから。今は課長やもん?笑」
「もっとあかんやろ、あほーっ!!」
「ふふっ、ナオ、もう色々開き直っとうな?…嬉しい。笑」
仲良さげなナオヤとエイキを見ながらも、会話についていけないでいるとカイリュウに引っ張られる。
「……ラン、そういやお前知らへんやったよな、?」
「ん?なにが、?」
「……あいつら、…エイキとナオヤ、昔付き合っててん。」
「っ、え、?えぇっ、?!そうなん…っ?!」
「まぁ、また新しい組み合わせになりそうやけどな…あいつほんまに好きやな、ああいうタイプ、、 笑」
そう言いながら、エイキに見つめられて、たじたじになっているハヤトを眺めるカイリュウ。
2人の過去を知って驚きつつも、そんな様子を見ながら、そうやね、なんて返事をした。
それぞれが思い思いに喋っていると、ナオヤがぱんぱんと手を叩いてみんなをまとめ始める。
「はいは〜い!みんな揃ったし、お店閉めるから、一旦解散ね〜!浴衣着てきた人から集合してや?♡」
「は?浴衣??」
「花火大会と言えば浴衣やろ〜?♡みんなには用意してって事前に言ってるけど、カイリュウとランちゃんは荷物になったらあかんと思って、ちゃんとナオが用意しといたから!そこにあるやつ着てな、?」
ナオヤが指さした方を見ると、綺麗に畳まれた浴衣が2枚並んで置かれていた。
「あ、ナオのやから、カイリュウには大きいかもやけど?笑」
「誰がチビやねん、お前がでかいだけやろ。」
「はいはい、もうええですぅ〜それで。まぁちゃんと着れたらええですけどぉ?笑」
「…着れるわアホっ。」
「ならええけど〜?じゃあ2人はこのままお店で着替えてね?…はい!じゃ〜、かいさーん♡セイちゃん行こ?♡」
「おん、じゃあみんな後でなぁ〜」
言い終えてすぐに、ナオヤがセイトの腕を掴んで店を出ていく。
「たっくん、俺着方わからん」
「リュウキ、うちで着替える?」
「知っとうと?」
「うん、まぁなんとなくだけど。…大丈夫だよ、着せたげる。」
「え、、/」
「ん?なに、?笑」
「……や、なんでもない、/」
「…ふふっ。ほら行くよ、?笑」
なんだか恥ずかしそうにしているリュウキを連れて、たっくんも店を後にした。
「ハヤトはお家で着替えるの?」
「うん、1回帰るよ〜」
「ふーん、そっか。…残念。笑」
「え、?/……エイキは、?」
「じゃあ俺も帰ろっかな。…浴衣姿、楽しみにしとくな、?」
「っ、、じゃ、じゃあ後でね…っ、?!/」
ハヤトが焦りながらも店を出ていき、その姿を微笑みながら眺めた後、エイキも俺達に手を振って店を出ていった。
「…みんなおらへんと急に静かやな。笑」
「そうやね、8人おったからな、笑」
2人きりになった店内は、さっきの賑やかさが嘘のように静かな空間に変わっていて、ぽそぽそと会話をしながら浴衣に手を伸ばす。
「……なぁ、ところでなんやけど、」
「ん、?」
「、、、着方わからへん、」
「っ、え、?!笑」
「い、言われへんやろさすがに恥ずくて!/」
「ふっ、、あぁもう…っ、」
「なんやねん……っ、」
「ううん?……かわいい。笑」
「っ、おま…っ、……ば、馬鹿にしてへん…、?/」
「ううん。ただ可愛いと思っとる。笑」
「そんなこと聞いてへんねん…っ、!/」
みんなの前では言えなかったことを、2人になってから言う可愛さにやられながら、2人分の浴衣を手に取った。
*つづく*
コメント
12件
みんなのその後が見られて嬉しいです🥹みんな、相変わらず幸せそうでそれぞれのペアがとても可愛くて……🦅☕️の朝の甘い一場面もご褒美でした✨
特別編ありがとうございます!!特別編あるの知ってからずーっと楽しみにしてました!笑🦅がめちゃめちゃ溺愛してて最高です👍👍☕もなんだかんだ甘えてるの尊すぎます💕💕朝から甘々すぎて口角上がりっぱなしでした笑笑久々に集まった8人の空気感がすごく暖かくて微笑ましかったです笑 1話で終わりかと思ってたので続きあるの嬉しいです!次も楽しみにしてます💞
エイトム誕生か!? 微笑ましいアフターストーリー最高過ぎる🫶 続きめっちゃ楽しみ🎶