これは私の感じた私だけの物語。
共感するも、非難するもあなた次第。
ただ、『不登校』がどういうものか、その一例として見てもらいたい。
「学校に行きたくない」
たった一言だけど、その言葉の影響力はとても強かった。
「どうしたの?」
「何かあったの?」
「風邪でも引いたの?」
怒濤の如く浴びせられる疑問の声に、この言葉を放った事をほんの少し後悔した。
「理由は無いんだけど…今日は行きたくない」
「理由がない? じゃあ駄目」
当たり前だ。本来ならばここで引き下がるべきだ。というか、いつもの私は口論が面倒くさくて、最後は折れる事を選ぶ人間なのだ。
しかし、何故かその日の私は違った。
「どうしても行きたくないの!」
「はぁ? なんで?」
「だから、理由は分かんないんだけど…」
「じゃあ駄目って言ってるでしょ!」
「もうっ、こっちも急いでるんだから」と母はまともに相手にもしてくれなかった。
「………」
しかし、私はどうしても学校に行きたくなくて、パジャマのままダイニングの椅子に座っていると、
「何でまだパジャマなの? 制服は?」
と、急かすように母が言った。
「………」
ただ、私ももうどうしようもなく心が悲鳴を上げて、体がどうしても学校に向かわないのだ。
「………はぁ、休むの?」
母が諦めた口調で私に聞き、私はただ頷くだけだった。
「学校には連絡してね」
「うん…」
そして母と、父、兄弟は家を後にした。
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