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「文化祭!祭りが近づいてくるよ!」

私は部室の端で訳の分からない踊りをしていた。

それを見た凛々華は呆れていた。あかねに関しては部室のすみっこで陰の空気を醸し出していた。

私は謎の部族の舞をやめ、そんなあかねに近づいて、横にすとんと腰を下ろした。

「あかね。テストだめだった?」

あかねは俯いたまま小さく頷く。

「合計400後半。K高なんて夢のまた夢だよ」

「え?あかね400後半?」

「え?そうだけど…?」

「私ギリ500前半…な、んだけど…」

私の合計点数を知ってしまったあかねは無言でもっとすみっこへ寄って行った。

「ああぁ、別に悪気はなかったんだって。ねぇ〜」

すみによっていくあかねの服の袖を引っ張る。

「あかねは私よりずっと実績あるし!ね、生徒会!」

あかねはすみで体育座りをして顔を見せなかった。

「確かにそれはそうなんだよ。けど」

息をふっと吐き出す。

「先輩が有能すぎる。先輩さえいれば何とかなっちゃうから私の肩身が狭いんだ」

あかねは去年の12月、1年の立候補者の中で票を1番集めたから書記になった。1年は書記、会計の2人しか当選しないから。

「生徒会、あんま好きじゃないの?」

「好き。超楽しいよ」

あかねは身を乗り出して間髪入れずに答えた。

「じゃあ今年も立候補するんだ?」

開けた口を歪ませて、もう一度体育座りをし直した。少し下を向いて、「わからない」とか細い声で答えた。

「そっか」

私は立ち上がって、ジャージについたほこりを払った。

「まぁなんにせよ、私はあかねの味方ですよ」


じわじわと暑い9月だった。

「文化祭という祭りが近づいてきたと思っていたが、まだ体育祭という陽キャ共の祭りが残っていたみたいだぞ!」

休み時間、教室はがら空きで、みんなどこかへ行ってしまっていた。私はあかねに対していらない報告をしていた。

「知ってるし、生徒会の方の企画も進んでるし」

そりゃそうか。生徒会種目毎年あるらしいから。

去年は借り人競走で、私も出た。凛々華ともう1人の友達と。その友達とはとっくのとうに疎遠になったし、そんなに仲良くなかった。

「私、生徒会種目出ようかな。何やるの?」

「まだ企画段階だから未定」

ふーん、と適当に流す。体育祭なんてあんまり好きじゃないから。運動できない陰キャの公開処刑でしかないから。

あかねの隣の席の椅子を勝手に借りて座った。どうせ居ないしいいだろう。

「私、体育祭はあんまり楽しみじゃないな…」

あかねはうんともすんとも言わず、机に突っ伏す私を見ていた。

換気だとか言って先生が開けた窓から、生ぬるい風が抜ける。あかねの髪が少し靡く。

「あかねは体育祭楽しみ?」

「…別に」

あかねは頬杖をつき、窓の外を眺めていた。


体育祭のリハーサルで、今日は1、2時間目しか授業がなかった。ここ1週間は5、6時間目が体育祭練習で、運動不足の私の体はとっくに悲鳴をあげていた。外に出ると、9月の末で曇っているからか、あまり暑さは感じなかった。

「いのりお前、生徒会種目出るんだな…」

私達は下駄箱からグラウンドへ向かっていた。

「立候補者全然いなかったからなー」

「まぁ、それはそうなんだよね…」

なんてったって生徒会種目自体に勝敗はあっても、点数はないから。体育祭の勝敗に関係しないから。体育祭をガチる優勝したい人達はそこに無駄な体力を使いたくないのだろう。一軍の人は大抵立候補してこないのだ。陰キャに優しいタイプの陽キャは立候補していたけど。

リハーサルは滞りなく進んでいった。

大体が実際にやるわけじゃなくて、アナウンスや動きの確認のみだから、そんなに生徒のテンションも上がらない。淡々と進んでいく。

6時間目、微妙に残った30分は各色で練習することになった。今年は縦割りで、1、2、3年生の同じ色が一緒に練習をする。去年は他学年間で関わることあまりなかったな。


今日は体育祭前日だからと全ての部活がなかった。あかねは体育祭の設営に生徒会役員として駆り出されていた。あかねに遅くなると思うから先に帰っててくれと言われたから、大人しく1人で家に帰った。

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