テラーノベル
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〈nakamu side〉
kr 「最終的目標は七不思議の長を殺すつもりなんだ」
もう死んでる怪異を殺すだなんて変な話だけどね、と付け加えて笑みを浮かべるけれどさっきのあの目はもうみたくないと思った。
いつもは春は暖かさを運び、夏は鋭く、秋は早く眠り、冬は白く神々しい太陽の光に負けないほど美しく煌めく瞳が闇に隠れた気がした
息が詰まるような、瞳孔が開くような、そんな感覚が俺を襲う。
こんな彼を知らない。
知れるわけがない。だって俺たちは人間だから
でも、そんな瞳に見惚れてしまうのは俺が彼の中へと溺れてしまっているからなのか
sh 「長に殺すって、、どうやって?」
俺の異変に気づいたのかシャークんが後ろで優しく背中をさする。
お前にはいつも隠せないな
胸に魚の骨が刺さる感覚。無視しようと思えば無視できるこの痛さはどこか心地よかった
kr 「今回、みんなに解決してもらったのは七不思議の4番。こうやって少しずつ解決していくと長にたどり着くはずなんだ」
sm 「その感じだと確証はないってこと?」
kr 「そうだね」
kr 「それに一気に祓うよりも一つひとつ確実に潰していかないと意味ないからね。遠回りになるけど協力してくれる?」
確実にきりやんの目標が達成できるかはわからないけど、俺たちが力になれるんだったら
nk 「わかった、できることなら協力するよ」
kn 「怪異を殺してどうするの?実体がなくなっても噂でまた復活しそうな気がするんだけど、、」
kr 「まあそこらへんも色んなことがあるんだけど、今簡潔に言うと長を殺すとこの学園全部の怪異が死ぬんだよ 」
kr 「この学園にある怪異はあまりにも多すぎる。だからその分怪異たちをまとめる長がつくられた。長は怪異の秩序を正し、人間との共存を望んだわけだけど部下に殺されてそいつが今の新しい長になった」
kr 「今までなかった怪異の被害が増えたのもそのせいだよ。他の怪異にも、もちろんあって欲しくないんだけど、特にこの長に関してはみんなも会わないように俺が守るから」
br 「、、、、あのさ。ちょっとこれは聞いておきたいんだけど」
kr 「なに?」
br 「昨日の出来事、割と旧校舎って通学路側によって建ってるし他の人も見てる可能性があったんだけど、そう言う話はクラスや学年の中でも一切出てこないんだよね。これって、もしかしてきりやんがなんかやってる?」
kr 「俺はそこまでやる力はないけど見えるのは大抵、霊感がある人、俺と深い関わりのある人くらいかな 」
kr 「ぶるーくたちは後者に当たるね。前者はそもそも怪異が見える場合が多いから昨日のを見られても別に驚くほど珍しいことじゃないんだ。それにその話が出てこないってことはその人たちはその現象に関わらないほうがいいって理解できているんだよ」
sh 「じゃあ周りを気にして失敗するってことはないわけか」
kr 「そうだね」
kr 「噂を広げる中にも細かくみんなで手分けしてほしいんだけど、、、」
きりやんが話すにはこうだ。噂を広げるまでの道のりをみんなで役割分担をしてやろうってこと。主な役割は以下の通り、
腐った噂の情報を得る者。
その噂の場所に生徒が来ないように見張る者。
新しい噂を考える者。
そして噂を広げる者。
情報通な俺はシャークんとペアを組み情報集めを、ぶるーくときんときは見張り役を、新しい噂はきりやんとスマイルが担当することとなった。
噂を広げるのは全員でそれぞれの方法を取ることになった
kr 「役割も振り分けられたことだし、今日は解散かな 」
br「よっしゃぁー!」
kn 「スマイルは今日一緒に帰る?」
sm 「いや、図書館寄るから先帰ってて」
nk 「おけー」
スマイルは何にそんなにも熱量を注いでいるのか俺たちは皆理解できていなかった。
放課後みんなで集まったりはするけどそのあとは一緒に帰宅したりはしないし、自宅がどこにあるのかも誰も知らなかった。
…………………………………………………*
〈??? side〉
静かさを纏った廊下。
誰かが歩く足音が月明かりを揺らす。
充電が切れそうな懐中電灯を握り締めそっと戸を開く。
「異常なし。」
教室に背を向けそこから離れようとする。
カタッ
「っ、!?」
静かな夜の眠りに彼の声が聞こえる者はいなかった。
ーーーねぇ、ねぇ、最近の噂聞いた?
ーーーえっ今度は何?
ーーー理科実験室にある人体模型の噂!
【理科実験室の人体模型】
あなたは知っていますか。
この学園に広まる古い御話。
理科実験室の人体模型の噂。
何年も前から使われなくなった理科実験室にはさまざまな備品がそのままの形で残されており、その備品を磨き、元の場所に戻せば欲しいものが手に入ると言われています。
しかし教室に入ったら人体模型とは目を合わせてはいけません。
もしも目を合わせてしまえば、あなたの体がとられてしまうかもしれないから
〈kintoki sidep〉
kn 「、、、。ついに始まったね」
nk 「これまた酷い噂だな、こんなリスクを取ってまでみんな欲に溺れてるのか?」
kn 「きっとなかむが大人びすぎてるだけだよ」
ガラガラッ
nk 「お」
kn 「おはよースマイル」
sm 「ん、おはよ」
今日の空も太陽は見えないようだ
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