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その頃――涼ちゃんの心の中は、静かな絶望で満ちていた。
「またみんなに迷惑をかけてしまった……」
「どうして僕はうまくできないんだろう」
「励ましてくれても、きっと本当は困ってるだけだ……」
周りから届く励ましの言葉も、やさしい視線も、
今の涼ちゃんの心にはまるで届かない。
ありがたいという気持ちを感じる余裕もなく、
逆に「申し訳ない」という痛みだけがふくらんでいく。
心の中には、自分を責める言葉が絶えず繰り返されていた。
「こんな自分、みんなのそばにいる資格なんかないよ……」 「もう何も感じたくない」
教室のざわめきや、誰かのやさしい声も全部、
どこか遠くから聞こえているだけ。
涼ちゃんは、深い暗闇の中に一人で沈み込んでいた。
「みんな本当は困ってるのに、無理に励ましてるだけ」
――そんな自分を責める言葉でいっぱいだった。
「いなくなれたら楽なのに」「消えたい」――
胸の奥に浮かぶのは、痛みと孤独ばかり。
まわりの優しささえも素直に受け取れず、
ただただ静かに、心の中で自分を責め続けている。
教室のやわらかな空気や、友達の思いやりも、
今の涼ちゃんには遠い場所の出来事のように感じられるだけだった。