ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
rir-さん視点〜
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「い、いきなり壁が…!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「み、みなさぁん!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そういって壁を叩く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「rir-さん!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 名前を呼ばれ振り返る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさん!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そういい、私はmzrさんに駆け寄る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「他のみんなは…!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 そう聞かれ、
私はわかっていることを伝える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「どうやら、
分断されてしまったみたいです…。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「そ、そんな…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「…でも!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「rir-さんがいるから、 一人じゃないから、
きっと大丈夫です!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 そういって微笑む。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさん…!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 普通に嬉しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 …言われたことなかったから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「あのぉ~…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 !?
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「一応…あたい、いるんだけど…。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 唐突に声が聞こえた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉〈rir-〉
「だ、誰!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「あたいは_」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「メイ!貴方たちに立ちはだかる者だよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 立ちはだかる者…ね…
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「っ…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「応じて_」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私はとっさに武器を作る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私の武器は本。
 
 
 
 
 紫がベースで、
 
 
 
 
 
 
 
 
 ふわりふわりと、
私の前に浮いている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 “応じて”はmzrさんが精霊だった時
召喚する言霊だったけど、
武器を作り出す時にもこの言霊だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「わ、私も!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そういい、mzrさんも武器を作る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「凍えて_」
 
 
 
 
 
 
 
 
 mzrさんの武器は銃、
 
 
 
 
 
 
 白がベース。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 すると、
 
 
 〈メイ〉
「…ごめんね。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「はぁ?どういu」
 
 
 
 
 
 
 
 
 そう聞こうとした時。
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「泡沫の輝き。」
 
 
 
 
 
 
 
 そんな声が聞こえ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 視界が真っ暗になった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「さっきまで洞窟だったのに…!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は周りを見渡す。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 自分の姿以外全く見えない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 幻覚…?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさん!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「私は大丈夫です!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 姿は見えないが声が聞こえる。
 
 
 
 
 
 
 よ、よかったぁ…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「…。そんなことが…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 メイがボソリとつぶやく。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「…そんなこと…?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「あ、ごめんね。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「解除。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そういった途端、私の暗闇は晴れ、
カラフルな雲の上にいた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 …まさか、解除してくれるとは…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「解除してくれたところで悪いですけど、他の仲間が心配なんです!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「先手必勝!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「堅氷っ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 mzrさんがそういうと、
銃の先から硬く冷たい氷が放たれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「わっ!危ないじゃない!!」
 
 
 
 
 
 
 
 そういいながら、ひらりと氷を避ける。
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「ずいぶん余裕そうに
かわすじゃぁないですか!!」
 
 
 
 
 
 
 
 そういい、私は雷をメイに繰り出す
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 _はずだったのに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「貴方の攻撃にもし当たったら…
ヒヤヒヤするわ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 私の放った雷は
メイが作り出したであろうものに引き寄せられてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 _避雷針として作り出され、使われた木。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「ふふん!」
 
 
 
 
 そうメイは私たちへドヤ顔をする。
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「ッ!」
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「かわされるなんて!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「堅氷ッッ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 mzrさんはそういい、また氷を放つ。
 
 
 
 
 〈メイ〉
「おっとっと…、」
 
 
 
 
 
 
 
 メイはかわす。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「ッあぁもう!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「堅氷ッッ!!」
 
 
 
 
 
 
 そういい、mzrさんは大量の銃を作り出す。
 
…え、キレた?
 
 
 
 
 バンッッ!
 
 
 
 
 
 そんな銃声が鳴り響き、
mzrさんは 撃ったら捨て、撃ったら捨てを
繰り返し、片っ端から銃を使い、
乱射していた。
メイはギリギリでかわしていく_
 
 
 〈メイ〉
「ッッ貴方、ちょっとめんどくさそうねッッ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 …
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 !?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 気づくのには遅かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私はとっさに走り出す。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさんッッ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「えっ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そんなmzrさんの声が聞こえた時にはもう、
 
 
 
 
 
 mzrさんの目の前に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「じゃーね。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 _そういう、メイがいた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 いやだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 いやだッ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 mzrさんがッ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は必死にmzrさんへ、腕を伸ばす。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 腕を伸ばしている時、mzrさんが危ない時、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私にはその苦しい時間が
スローモーションのように、
とても、とても、
 
 
 長く感じられた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は瞬きをしてしまう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そう、ただ一瞬、目を閉じただけなのに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 mzrさんを囲うように、
大きな木の根が、
 mzrさんを閉じ込めていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさぁんッッ!!!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「気絶させただけだよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「…っ……」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今雷を放ったら
避雷針として、mzrさんへ行ってしまう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 …
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 完全に
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 詰みだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は、強いはずなのに…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 rir-さん︙回想・始
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私が”人間”で、まだ幼かった頃。
 
 
 
 
 
 
 
 森の中にある、小さな小さな村での話。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 タッタッタッ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「あはは!待てぇ〜!」
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「にっげろ〜!」
 
 
 
 
 〈村の子ども2〉
「うわあー!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「あー捕まっちゃった…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「次は逃げる側だ!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「待て待てぇ〜!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 鬼ごっこをして遊んでいた。
 楽しかった。
 
 
 
 
 
 
 
 …友達だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 
 ある日、
村に訪問者が現れた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども〉
「なぁrir-!」
 
 
 〈rir-〉
「なぁに?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は顔を向ける。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども〉
「今日広場で能力?測定みたいなのやってるらしいぞ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「へぇ~行ってみよっと!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 能力ってなんだろ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は期待を膨らませて、
広場へと、足を進めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 ガヤガヤ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「とてもにぎやか…!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 広場の中心を囲うように
人だかりができていた。
 
 
 
 
 
 その人だかりから
聞き覚えのある声が聞こえた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「おぉ!rir-じゃん!」
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども2〉
「rir-ちゃん!こっちだよ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そう言って私に手を振る友達。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「rir-…?」
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「私です!」
 
 
 
 
 
 
 そういい、手を挙げる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「rir-ちゃんってよんでもいい?」
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「いいよ!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈???〉
「ありがとう!」
 
 
 
 
 〈rir-〉
「貴方は…?」
 
 
 
 
 そう問うと、返事が返ってくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「名を名乗るほどのものじゃないよ。」
 
 
 
 
 
 といい、名前は教えてくれなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「ふぅーん」
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「この人すっごいんだ!」
 
 
 
 
 〈村の子ども2〉
「能力を測定してくれるんだよ!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「!それ私もやってほしい!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そのために来たもん!
 
 
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「いいよ〜。じゃあ宝石を見せてくれるかな?」
 
 
 
 
 
 そう言われ、私は左手の甲を向ける。
 
 
 
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「どれどれ〜……!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「なぁなぁ、rir-はどうだったんだ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 少しの沈黙の後、
 
 答えが返ってくる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「…これはッ!まさに”魔女”ッッ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 まじょ?
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「なにそれ?」
 
 
 
 
 私は訪問者へ問う。
 
 
 
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「…簡単に言えば、
魔女はとっても強い人。」
 
 
 
 
 〈訪問者〉
「rir-ちゃんはとっても強いんだよ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども1〉
「えぇ!?」
 
 
 
 
 
 〈村の子ども2〉
「すっっごぉぉおい!!! 」
〈rir-〉
「え、えへへ…///」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の大人たち〉
「えぇ!!rir-ちゃん強いの!?」
 
 
 
 
 〈村の大人たち1〉
「お願い!村の周りにいる者たちを一緒に 討伐してほしいの!!」
 
 
 
 
 
 
 〈村の大人たち2〉
「お願いrir-ちゃん!」
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の人たち〉
「お願い!」
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「いーよ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 お願いを私は、
“魔女”として片っ端から片付けていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 いつからだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 それが”お願い”から、
“命令”に、”使命”になったのは。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の大人たち〉
「早く片付けて。魔女なんでしょ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 〈村の子ども〉
「魔女!
怪我しちゃったんだ、治してくれ!」
 
 
 
 
 〈村の子ども〉
「え…怪我を治すのは無理?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈村の子ども〉
「はぁぁ…魔女なんだからそれぐらいできないとさぁ。」
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そんなことを言われ続け、私は理解した。
 
 
 
 
 
 
 
 あぁ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そっか
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 魔女なんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 rir-さん︙回想・終
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
 
 
 
 
 私は”魔女”。
 
 
 
 
 
 
 
 魔女でなきゃいけない。
 
 
 
 
 
 魔女は強い存在。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 なのに、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は女の子1人すら、守れない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 視界が歪み、前が見にくい。
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「そこで終わりなの?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「えッ…??」
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「あたいはこれからが勝負だと思うけどね。」
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「…魔女でだめなら
人間に戻ればいいじゃない。」
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「人間に…?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 魔女じゃなくて…人間…か……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ 〉
「こい。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「…wその言葉忘れないでくださいね?」
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「ふぅ…。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は空を仰ぐ。
 
 
 
 
 
 
 涙は勝つまで零さない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 …
 
 
 
 
 
 
 私はメイの方を向き、詠唱する。
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「空を駆け抜ける稲妻よ、私の手に宿るアイオライトよ、私を導け_」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 大丈夫。絶対mzrさんは傷つけない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「メイ、貴方は神鳴りがmzrさんを捕らえている木へ行くとお思いで?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「…当たり前じゃない。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「私の手に宿るアイオライトの石言葉、
そ れは導き。」
〈rir-〉
「私の神鳴りを
アイオライトが導いてくれる。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈メイ〉
「…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「じゃあね。」
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「雷霆。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は静かに言い放つ。
 
 
 
 
 
 その静かを断ち切るように、
激しい雷が真っ直ぐにメイを捉えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 大きな音が響き渡り、
砂煙が辺りを覆い隠す。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 砂煙が晴れた頃には
メイは消えていて、
洞窟にいた。
 
 
 〈rir-〉
「mzrさんは…?」
 
 
 
 
 
 そう思い、周りを見渡す。
 
 
 
 
 すると
 
 
 
 
 
 
 
 地面に倒れているmzrさんが見えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「!mzrさん!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 私はmzrさんへ駆け寄る。
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「mzrさんッ!mzrさんッッ!!」
 
 
 
 
 
 
 私はmzrさんの肩を揺らす。
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「う、うーん…?」
 
 
 
 
 
 
 そういい、徐々に目を開くmzrさん。
 
 
 
 
 
 
 
 よかった…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「…rir-さん!?メイは…!?」
 
 
 
 
 
 そういい、勢いよく起き上がるmzrさん。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「もう、…終わりましたよ…。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「私…何にもできてなかったのに…。」
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「そんなことないですよ…。」
 
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「だって…」
 
 
 
 
 
 
 
 そう言おうとしたが、
私の口はもう動いてはくれなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 …眠気が……。
 
 
 
 
 
 私は全身の力が抜け、横に倒れる。
 
 
 
 
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mzrさん視点〜
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「わわっ!」
 
 
 
 
 
 私はとっさに倒れかけたrir-さんを支える。
 
 
 
 
 
 〈rir-〉
「スゥースゥー…。」
 
 
 
 
 
 
 
 ね、ねてる…。
 
 
 
 
 
 
 
 …ってことは……?
 
 
 
 
 
 
 
 私はrir-さんの前髪に触れ、額を確認する。
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「やっぱり…」
 
 
 
 
 
 
 rir-さんの額からは血が流れていた。
 
 …きっとダイヤモンドを……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 〈mzr〉
「…次は、私が守りますから。」
 
 
 
 
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今回思ったより長くなりました…
ここまで読んでくれてほんと〜に、
ありがとうございます!
あ、いいねお願いしますね!?
コメント
8件
わああああ今回も最高かいな!? 敵役をこんなかっこよく見せれるのはもはや神だろ...(遺言)
最 高 っ ✨️ !! , め め さ ん の 活 躍 が 早 く 見 た い っ! ! み ぞ れ さ ん と , れ い ら ー さ ん の 友 情 が 儚 く て 好 き . . れ い ら ー さ ん の 過 去 悲 し い , 期 待 し 過 ぎ だ よ ! . ま だ 子 供 な の に . . .