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「転生したぁぁぁぁぁ!?!?!?」
「しゃっべったぁぁぁ!?!?!?」
あ、これ喋れるの知らなかったんだけど。てか赤子が喋れるか普通。
「な、なんで喋れるのかしら…。」
若い美人、いわゆるここの世界でいう私の母は首を傾げ私をおかしそうな目で見た。それに私は罪悪感を覚えた。
「…なんか喋っちゃってすみません。」
「いや、いいんだ、きっとお前が天才故のことだろう。」
続けてここの世界でいう父が会話を繋げる。
あ、ふーん、こんなに受け入れてくれるもんなのね。
「あの…ここの世界がどこで、どうゆうものなのか教えて頂きたいのですが…。」
私がこう聞くのも無理はない。
なんせ明らかに私が元いた地球、日本ではないからだ。
その理由は一目瞭然。
まず両親が明らかに日本ではありえない服装をしているからだ。
母は何かのパーティかと思わせるほどの豪華なピンクのドレス。それもとてもお高そうな。
父は黒い制服のような、騎士のような…とりあえず私が大好きな異世界漫画で着ていそうな服を着ている。
そしてうってつけは髪と目の色だ。
母はうる艶なベージュの髪、目は燃え盛るような色をした赤。
父はサラッとした黒色の髪、目は母ほどの赤ではないが、薄いパステルカラーのような赤色だった。
明らかに私の元いた世界ではありえない事だ。もしかしたら、ここの世界は…。
可能性があるかもと期待を膨らます。
父はゆっくりと息を吸い、息を吐いて言葉を口にする。
「ここの世界は、魔法を使う世界なんだ。そして私はここの世界の魔王、ドルウィス・アザルゴドだ。」
「そして私が、魔王の妻、サフィア・アザルゴドよ。」
あ、マジすか。やばいじゃん、ガチで異世界転生しちゃった。しかも魔王の子供だよ。こんなことあっていいんだな〜。
私はつい母の腕から飛び出して踊り出しそうになった。
平和を作りたかったから、その為に権力のある魔王になりたかったから。
これからこの世界について沢山学んでいこう。魔法も全て使いこなしてやる。それも短時間で。そしてこの世界を平和で満たそう。楽しく、誰もが不自由ない世の中を作ろう。
「所で聞きたいんですけど、わた…」
私って言いかけたけど、この体とか声からして男よね…。
コホンと咳払いし、言い直す。
「俺の名前ってなんですか?」
母はその瞬間嬉しそうににっこりと微笑んだ。その顔はまるで女神のようだった。
「あなたの名前は」「アレド・アザルゴド。」
「……アレド・アザルゴド……」
これが、私の来世の名前か。
…いや今世の俺の名前だ。
これからこの世界で生きてく相応しい名だな。
フッと微笑み俺を覗き込む2人に視線を向ける。
「良い名だ。これからよろしく頼む。」
俺は今日から、新たなる魔王。
アレド・アザルゴドだ