――気持ちいい。
私はとろけるようなキスを交わしながら陶然として尊さんの舌を吸い、唇を甘噛みし、彼の舌に自分のそれを絡める。
彼の肉厚な舌に口内を蹂躙された私は、被虐的な悦びを得てお腹の奥を疼かせた。
私は呼吸を荒げながら尊さんの屹立を撫で続け――、「もっと触りたい。舐めたい」と願った。
キスしていた途中で顔を少し引くと、尊さんは軽く瞠目して私の様子を伺う。
私は何も言わずに頬を染めると、彼のベルトに手を掛けた。
「……朱里。これからレストランに行くから……」
「さっき、シャワーを浴びたでしょう? それに好きな人のだったら……、きっと美味しいし」
「美味しい」なんて、エッチな事に慣れてる人の言う言葉みたいだ。
恥ずかしくて顔を真っ赤にしてしまったけれど、気持ちは真剣だった。
尊さんの体なら、どこを舐めても抵抗はない。
そういう意味で言ったんだけど、彼は怒ったような顔でギュッと私の頭を抱き締めた。
「…………お前は男を煽る天才だよ」
頭上から、熱情を押し殺した声がする。
その声を聞くと、彼が迷っている気持ちが手に取るように分かった。
私さえ「したい」と言えば、尊さんは口淫を許可してくれるだろう。
でもこれから食事があるし、彼は時間や色んな事を気にしている。こう見えて、とても気を遣う人だから。
――けど、そんなのいい。
――私をその気にさせたんだから、最後まで責任とってよ。
私は口内に溜まった唾をゴクッと嚥下し、勇気を出して彼の両手を掴み、顔を上げた。
そして尊さんを上目遣いに見たまま胸板を愛撫し、彼の股間に顔を埋めると、スラックスのファスナーを前歯で噛んだ。
そのまま、尊さんの下腹に顔を密着させて、ジジ……、ジ……、と小さな音を立て、ファスナーを下げていく。
「……お前、どこでそんなん覚えたんだよ。田村クンにしてやったのか?」
――あ、嫉妬してる?
そう思った途端、胸の奥でブワッと歓喜が広がった。
「んふ……っ」
私は思わず笑みを漏らし、腰をくねらせて両手で尊さんのお尻を揉んだ。
――する。絶対フェラしてあげたい。
――気持ちよくさせたい。私で達ってほしい。
ファスナーを下ろし終えた私は、また上目遣いで尊さんを見て笑いかけた。
「…………っ、あぁ、クソっ」
彼は毒づくと、乱暴に息を吐いてベッドのヘッドボードを背にして座った。
受け入れてくれたのだと知った私は、彼の脚の間で四つん這いになる。
「朱里、せっかく着替えたけど下、脱げるか?」
尊さんに尋ねられ、私は彼の望む事を想像して赤面し、コクリと頷いた。
「……あんまり見ないでくださいね」
小さな声で言ったあと、私は彼に背中を向けてスカートを脱ぐ。
下着ごとストッキングを脱いだあと、暑くなる事を予想してニットも脱いだ。
結局、私はブラとキャミだけの姿になり、再度尊さんの脚の間に戻る。
その頃には尊さんはジャケットを脱ぎ、下着ごとスラックスを下げていた。
私は髪を耳に掛け、彼に微笑みかける。
「……やり方、〝教えて〟ください」
いつかの台詞を口にすると、尊さんは眉間に皺を寄せ目を細めた。
一見怒ってるように見えるけれど、彼が興奮しているのはいわずもがなだ。
その証拠に、股間でそそり立っているモノは、これ以上なく硬く大きくなっていた。
「……お前は……」
尊さんは乱暴な溜め息をつき、私の片手を握ると屹立に導く。
「……よく触って、見てみろ。いつもお前の中に入ってるモノだ」
そう言われ、お腹の奥がジクリと疼いた。
尊さんの男性器は、大きくて形が格好いい。
竿の部分はお腹とほぼ同じ色で、亀頭だけエッチなピンク色をしている。
勃起力も凄くて、根元からギュンッと鋭角に勃っている姿を見るだけで、お腹がウズウズしてしまう。
太い幹には血管が浮いていて、くっきりとした裏筋や雁首のラインを見ると、触れてみたい、舐めたいという気持ちに駆られた。
「なんつーエロい顔をしてるんだよ」
尊さんが言い、私の髪をクシャリと撫でた。
変態っぽいと自覚しながらも、私はスゥッと亀頭の匂いを嗅いだ。
熱が籠もる場所だからか、ボディソープの香りが温かみを伴って立ち上る。
(……舐めたい)
私は鈴口から透明な液を滲ませている亀頭を見つめ、無意識に腰を揺らすと先端に顔を寄せて上目遣いに尊さんを見る。