呪霊降濁

呪詛の王の復活が確実視され、東京、いや、日本列島は未曽有の危機に直面していた。呪術師本部は緊急対応に追われ、特別な任務を担う精鋭を集めることに決めた。夏目修の命を受け、透、朱音、百鬼、神楽坂が集結し、「特別部隊」として結成された。

会議室に、5人の姿が集まった。夏目が緊張した表情で立ち上がり、視線を全員に向ける。

「お前たち5人が、呪詛の王討伐のための特別部隊だ。俺が直接指揮を執るが、行動は基本的に各自の判断に任せる。呪術師の精鋭が集まったとはいえ、今回は規格外だ。生き残るために、最大限に引き出す必要がある」

神楽坂零が笑みを浮かべる。「精鋭ね…だが、一匹狼だ。足手まといにはならないでくれよ」

百鬼冴は無言だったが、その瞳には戦いへの準備が整っている様子が窺えた。彼女の異常な呪力が周囲に漂い、ピリピリとした緊張感を作り出していた。

透と朱音はお互いに視線を交わし、決意を固めていた。彼らもまた、この危機に立ち向かう覚悟はできていた。

「呪詛の王に立ち向かうには、チームとしての連携が不可欠だ」と夏目が続けた。「呪術を駆使し、敵の動きを封じることが我々の使命だ。透、朱音、お前たちも油断するな。これからは、一つのミスが命取りになる」

「分かりました、夏目さん」透が深く頷き、心を引き締める。