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特別部隊の初任務は、呪詛の王の復活を裏付ける証拠を探すことだった。東京の地下駅、特に西ケ原駅には、古代の呪術結界が残されており、そこには王に関わる重要な手がかりが隠されていると推測されていた。
「行き先は…地下か。嫌な感じがするぜ」神楽坂が軽口を叩きながらも、緊張を隠せない。
「慎重に進め。結界内には呪霊が徘徊している。気を抜けば、瞬時に命を奪われることになる」百鬼冴が冷静に語り、鋭い目つきで周囲を警戒している。
地下の通路は、湿気と古い血の匂いが充満し、得体の知れない不気味さが漂っていた。透は呪具「紫狼」を手に、いつでも呪霊と対峙できるように構える。朱音は結界術の準備を整え、緊張の糸を張り詰める。
「夏目さん、呪力の波動を感じます。間違いなく、ここに何かある」朱音が声を低くして報告する。
「よし、全員準備しろ。呪詛の王に近づく手がかりがこの先にあるはずだ」夏目が鋭い指示を無線で飛ばす。
しばらく進んだその先、部隊は突然の衝撃に襲われた。突如として現れた巨大な呪霊が、地面を揺らしながら立ちはだかる。
「これは…眷属だ!みんな、気をつけろ!」透が叫び、部隊全員が戦闘態勢に入る。
「俺が先陣を切る!」神楽坂零が呪力を高め、突進する。しかし、その一撃は呪霊に弾かれ、神楽坂は後方に吹き飛ばされた。
「くっ、なんて硬さだ…!」神楽坂は苦々しい顔で呪霊を睨む。
「朱音、結界で動きを封じろ!」夏目が指示し、朱音は結界を展開。呪霊の動きを一瞬にして封じ込める。しかし、それは長くは続かなかった。呪霊は結界を破り、再び襲いかかってくる。
「ならば、俺の一撃で仕留める!」透が紫狼を振りかざし、呪霊の腹部に深く斬り込んだ。
「ナイス、透!終わりだ!」百鬼冴が続いて呪霊に飛びかかり、強烈な呪力を放つ。その瞬間、呪霊は悲鳴を上げ、消滅した。
呪霊を倒したものの、透たちは異様な空気に気づいた。さらに深い地下には、より強力な呪力の波動が感じられる。
「ここからが本番だな。呪詛の王の真の力を目の当たりにするのは、これからだ」百鬼冴が冷静に言い放つ。
夏目は静かで厳粛な声で告げた。「お前たちが世界の最後の砦だ。このまま進めば、王の復活はほぼ確実だろう。しかし、それを防げるのは、俺たち5人しかいない」
透は紫狼を強く握りしめ、覚悟を決めた。「行こう。俺たちがこの世界を守るために」