テラーノベル
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地下施設を抜けた瞬間、冷たい外気が頬を打った。
夜明け前の空は薄く色づき、長い夜が終わろうとしている。
おんりーは無意識に息を吸い、深く吐く。
おんりー「……外の空気、こんな冷たかったっけ」
MEN「地下に籠もりすぎたな」
遠くで、ドズルたちの部隊が動く音がする。
状況整理、回収、警戒。
全てが“終わった後”の音だった。
だが、二人は少しだけその場に留まった。
MENは壁にもたれ、負傷した腕をゆっくり下ろす。
MEN「……正直、もう少しで限界だった」
おんりーは驚いたようにMENを見る。
おんりー「……言わなかったな」
MEN「言ったら、お前が無茶するだろ」
おんりーは一瞬言葉に詰まり、苦く笑った。
おんりー「……するなって言われても、してたと思う」
MEN「だろうな」
短い沈黙。
だが、そこに重さはない。
おんりーは視線を落とし、静かに口を開く。
おんりー「……分断された時さ」
MEN「……ああ」
おんりー「俺、冷静なつもりだったけど……
正直、頭の中、MENのことばっかだった」
MENは少しだけ目を伏せる。
MEN「……俺もだ」
MEN「探しながら、ずっと思ってた。
あいつ、また一人で全部背負ってるんじゃないかって」
おんりー「……背負ってた」
MEN「だろうな」
少しだけ、声に笑いが混じる。
MEN「でも、それでいいとも思ってた」
おんりー「え」
MENは顔を上げ、おんりーを見る。
MEN「お前がそういうやつだって、分かってるから」
MEN「だから俺は――
追いつく役でいい」
おんりーは、しばらく何も言えなかった。
おんりー「……ずるいな、それ」
MEN「今さらだ」
朝焼けが、二人の影を長く伸ばす。
おんりー「……敵の指揮官、言ってた」
MEN「“相棒に固執する理由”か」
おんりー「……うん」
おんりーは空を見上げたまま、言葉を探す。
おんりー「理由なんて、ちゃんと考えたことなかった」
おんりー「ただ……
一人で生き残るより、
二人で戻る方が、当たり前だと思ってただけで」
MENは静かに頷く。
MEN「それで十分だ」
一歩、踏み出す。
MEN「俺たちは、“最強”じゃなくていい」
MEN「“一緒に帰れる”なら、それでいい」
おんりーは小さく息を吐き、笑った。
おんりー「……それ、ドズルさんに言ったら説教されそう」
MEN「言われるな」
二人は並んで歩き出す。
もう背中を預け合う必要はない。
だが、距離が離れることもない。
通信機が鳴る。
『お前ら、状況確認できた。
本当に……よく戻ってきたな』
ドズルの声は、いつもより少し低かった。
MEN「はい。
二人とも、無事です」
『それが一番だ。
帰投しろ』
通信が切れる。
おんりーは一瞬立ち止まり、振り返る。
おんりー「……また、来るんだろうな」
MEN「多分な」
おんりー「……それでも」
MEN「……ああ」
二人の声が、重なる。
おんりー/MEN「一緒なら、問題ない」
朝日が、はっきりと地平線を照らす。
長い夜は終わった。
だが――
二人の任務は、まだ続く。
それでも。
背中合わせの距離は、
もう、迷わない。
一応最終回です…!本日一話だけの投稿になってしまってすみません…
番外編も投稿する予定なので見てくださると嬉しいです!
コメント
8件
最終回か〜と思ったら番外編っ?!楽しみにしてます✨