テラーノベル
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番外編になります!
ぜひ本編を見てから読んでいただけると嬉しいです!
(MEN視点)
基地の廊下は、任務明け特有の静けさに包まれていた。
人はいる。音もある。
けど、どこか遠い。
MENは壁にもたれ、包帯の巻かれた腕を軽く動かす。
MEN(……まだ痛むな)
だが、それより先に視界に入る存在があった。
少し先。
窓際で、外を見ているおんりー。
背中はまっすぐで、姿勢も崩れていない。
――相変わらず、隙がない。
MEN(……本当に、無茶しやがる)
声には出さず、心の中でだけ呟く。
あいつはいつもそうだ。
平然と前に出て、当たり前みたいに危険を引き受ける。
MEN「……なに見てる?」
おんりーは振り返らず、短く答えた。
おんりー「空」
MEN「それは見りゃ分かる」
おんりー「……じゃあ、何も」
MENは小さく息を吐き、隣に並ぶ。
窓の外には、穏やかな空が広がっていた。
数時間前まで、死と隣り合わせだったとは思えないほどに。
MEN「……あの時さ」
おんりー「ん」
MEN「通信、切れた瞬間」
おんりーは一瞬だけ黙り、ゆっくり口を開く。
おんりー「……最悪だと思った」
MEN「だよな」
MENは視線を前に向けたまま続ける。
MEN「俺は、正直焦った」
MEN「冷静な判断?
そんなもん、できてなかった」
おんりーが少しだけ目を見開く。
おんりー「……珍しいな」
MEN「お前が原因だよ」
おんりー「俺?」
MEN「お前以外にいないだろ」
おんりーは困ったように笑う。
おんりー「……俺はさ」
おんりー「MENなら、生きてるって思ってた」
おんりー「だから、進むしかなかった」
MENは、その言葉を噛みしめるように聞いた。
MEN(……信じてる、か)
MEN「……ずるいな、それ」
おんりー「どっちが」
MEN「全部だ」
おんりー「?」
MENは少し間を置いてから、静かに言った。
MEN「信じられてるって分かるとさ」
MEN「……生きて帰らない理由、なくなるんだよ」
おんりーは何も言わなかった。
ただ、少しだけ表情が柔らぐ。
MEN(ああ……)
MEN(こういう顔、
俺にしか見せねぇんだよな)
それが、妙に胸に残る。
MEN「……なあ、おんりー」
おんりー「なに」
MEN「次、また同じ状況になったら」
MEN「今度は、少しだけ俺を頼れ」
おんりーはゆっくりとMENを見る。
おんりー「……頼ってるつもりだけど」
MEN「足りねぇ」
おんりーは少し考え、やがて小さく頷いた。
おんりー「……努力はする」
MEN「よし」
それで十分だった。
二人の間に、特別な言葉はいらない。
だが確かに、何かが積み重なっていく。
MENは窓の外から視線を戻す。
MEN(……相棒、か)
悪くない。
むしろ――
MEN(これ以上は、考えなくていいな)
隣にいる。
それだけで、答えは出ている。
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