「勝った〜!」
「康二君、本当にジャンケン弱いねぇ〜」
楽屋の片隅
向井、目黒、ラウールの3人が、ジュースを奢る人を決めるジャンケンを大会を開催していた
「今日も俺?」
最近向井は負け続きで、3連敗の真っ最中
「やっぱり康二君って、アレだよね…」
ラウールが何か言いたげに、向井を見ると
「単純で悪かったな」
言いたい事に気付いた向井が、そのものズバリと口に出した
「そんな事、言ってないでしょ。せっかく言葉を濁したのに〜」
そう言ってラウールは、楽しそうに笑い
その時、楽屋に渡辺が偶然が入って来て…それを見つけた向井が走り出す
「しょっぴ〜!俺…2人に、カモにされた〜」
泣き真似をしながら渡辺に飛びつく向井を、慌てて目黒は止めようとしたが…一瞬遅くて止められない
先日、渡辺が突然触られる事が苦手だと聞いていた目黒は…心配そうに、2人の様子を見つめている
「3人で何やってんの?」
「負けた人がジュース奢るジャンケン…。俺、ジャンケン弱いねん…」
「それなら、男気ジャンケンに変えてみたら?」
「そうや、その手が残ってた…」
渡辺に抱き付いたまま、向井は会話を続けている
渡辺の方も、別に気にする様子もなく…向井を引き剥がそうともしなかった
「ねぇ、翔太君…」
「?」
「康二、抱き付いてるけど平気なの?」
目黒に小声でそう聞かれ、始め何を言われているのか理解出来なかったが
「……あぁ!大丈夫。康二は特別なんだ…全然平気」
向井になら、こうして抱き付かれても怖くない
「………」
2人の会話を、渡辺の腰に抱き付いたまま黙って聞いていた向井は
大好きな渡辺が、自分の事を【特別】と言ってくれたと喜んで
「しょっぴー!しょっぴーの分もジュース奢ったる。一緒に、良いのあるか見に行こ」
そう言って、渡辺を連れ意気揚々と出て行った
一方その頃…
1人の男が、釈放され…留置所の入り口に姿を現す…
「お世話になりました…」
そう言って頭を下げた男は、そのまま外へ…
「………」
待って居る人も誰も居ない…
男は人目のない場所まで来ると、物陰に隠れる様にして立ち止まり…
ニヤリと不吉な笑みを浮かべたのだった
第2章【完】
コメント
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単純計算して、結構この男も年食ってると思いますが…どうなる?🤔