そう思いながら夏を見ていると
「僕、耳が聞こえない時にある音が聞こえたんだ」
夏は呟くように私にそう言った。
『ある音』とはなんだろうか。
私がはてなマークを浮かべていると
「でも、今、気づいたんだ」
「あれは、恋の音だった」
真剣な目で夏はそう言った。
「だって今も、うるさいくらい、鳴り響いているから」
「僕は、未鳥のことが、好きなんだと思うよ」
そう言いながら夏は照れくさそうに笑った。
「私も、夏のことが好き…」
「本当、!?」
そう言って夏は私のことを抱きしめた。
𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
「未鳥!!あっちから綺麗な音が聞こえたから一緒に行こ〜!!」
「待って..夏、速…」
私を置いて野原を走り回る君は、
私の耳に最上級の心地良さを置いて、
私からトラウマという名の過去の出来事を
奪っていった。
______𝐹𝑖𝑛.
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