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#佐久古
レタスが、取れたっす
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#かくさんきぼー
コメント
15件
はぁ、憧れ過ぎる🫶🏻🥹✨️ 私も生まれ変われるならお金持ちに生まれてフィギュアスケートやりたかったなぁ😭 カナリアって愛称ほんといい👍🏻🫵🏻🫵🏻🫵🏻
古森くん、すごくいい雰囲気ですね……!「カナリアちゃん」って呼ばれる莉愛ちゃんの心情が、炭鉱のカナリアに例えられているところが印象的でした。初対面なのに自然に距離を縮める古森くんのあたふたした反応、可愛すぎます。彼がリベロだと知った時の莉愛ちゃんの驚きも分かります。「高校No.1リベロ」ってすごい肩書なのに、本人は恥ずかしがってるギャップも好きです。今後の展開、楽しみにしてます!
アテンション!!
古森元也のキャラが崩壊しています! (古森元也難しい……)
誤字脱字についてはコメント欄で優しく教えて頂けると嬉しいです!
Side金本 莉愛
「えっ、カナリアちゃんやん!?なんでここ居るん!?カナダちゃうかったん!?」
NTCの食堂で、聞き慣れた大声が私の耳に刺さる。
声の主は宮侑くん。
彼は兵庫の学校のバレー部に所属していて、関西のイベントで昔からよく会う仲だ。
「侑くん、声大きいよ。皆びっくりしてるじゃん。もうすぐNHK杯だから、早入りしてこっちで練習してたの」
ただでさえ背が高くて、(中身は残念だけど)顔立ちがいいんだから、余計目立つようなことをしないでほしい。
私がちょっと呆れていると、頭上から別の声が振ってきた。
「その子、宮の知り合い?」
「あぁ、元也くん。紹介するな。この子、金本莉愛。フィギュアの選手でな、昔から関西圏のイベントとかでよう会っとる知り合いやねん。金本莉愛やからカナリアちゃんって呼んどるんよ」
侑くんが「元也くん」と呼んだ男の子は、茶髪とまろ眉が特徴的で、背が高かった。
「それ、侑くんが勝手に呼んでるだけでしょ?まぁ、別にいいけど」
カナリア。かつて炭鉱で有毒ガスを検知する為に使われた鳥の名前。
侑くんは私の名前である「金本莉愛」をもじって「カナリアちゃん」と呼んでいるのだろう。
籠の中に囚われて、檻を壊す力も度胸もない私にぴったりの愛称。
聞いていて胸の奥がほんの少しだけ虚しくなるのは、まだ人間としての感情があるからなのだろうか。
「はじめまして、金本莉愛です」
「あ、うん!俺は古森元也、こっちは従弟の佐久早。よろしくね。莉愛ちゃんって呼んでいい?」
そう言い、古森くんは人懐っこい笑みを浮かべた。
「うん。よろしくね、古森くん」
初対面の人と話すのは、いくら国際大会に出ている身とはいえ、少し気恥ずかしい。
「ここ、座ってもいい?」
他に知り合いがいるわけでもないし………と思って古森くんの隣の席を指差す。
「あっ、うん!どうぞ!」
ちょっと顔を赤くしてあたふたする古森くん。座っていてもあきらかに私より背が高いのに、小さなハムスターのようで、なんだか可愛らしく思えてしまう。
男の子としては、可愛いっていうのは褒め言葉じゃないんだろうけれど。
「ねぇ、莉愛ちゃん。お昼ご飯それで足りるの?」
私が置いたトレーの上に乗っているものを見て、古森くんが心配そうにこちらを見てきた。
「心配してくれてありがとう。私はこれで足りるから平気だよ。食べ過ぎるとジャンプの軸が狂っちゃうから」
フィギュアスケートでは、身体が重くなったり急に身長が伸びたりするとジャンプを跳ぶ時の軸がブレやすくなり、跳べなくなることも珍しくない。
栄養はしっかり取りつつ、適度に量を計算しなければならないのだ。
「そっか。ごめん、余計なお世話だったよね?」
「ううん。侑くんと初めて一緒にご飯行った時の方が大変だったんだよ。『もっと食わなあかんで!?』って大騒ぎされて」
本当に迷惑だったもん、あれ。
店の中で大騒ぎするから、お客さんの注目を全部浴びちゃうし、その後は私が「金本莉愛」だっていう事に気付く人が現れて大騒ぎになっちゃうし。
「悪かったと思っとるから許してや……」
「一応反省はしてるんだ」
古森くんの言葉に、侑くんは顔を青くして震え始める。
「カナリアちゃん、怒るとめっちゃ怖いねん………」
「それは怒らせた宮が悪いんじゃ……」
そう。怒らせた侑くんが100%悪い。
「そんなもんやない!あれは鬼や!人間の形したバケモンの類や!」
確かに前は少し怒り過ぎた自覚はあったが、バケモン呼ばわりされる程のことはしていない。 ちょっとにっこり笑って優しく睨みつけただけだ。
「侑くん?」
「すんません!」
テーブルに頭をぶつけそうな勢いで頭を下げる侑くんは放っておく事にした。
「バレーボールの合宿でここにいるんだよね?」
「うん。でも、なんで知ってるの?」
「マネージャーから聞いたの」
「マネージャーいるんだね……」
「うん。カナダでの通訳とか、テレビや雑誌取材のスケジュール管理とかを任せてるんだ」
エマは仕事に関しての事は完璧にこなしてくれる優しいマネージャーだ。 たまに抜けてたりお茶目な一面があるけど、肝心の所では冷静に対応してくれるから信頼できる。
「雑誌の取材とか緊張しない?」
「ううん。いつも試合の後はミックスゾーンで取材受けてるし、そこにはカメラマンさんとかもいるから、小さい頃から慣れてるの。顔馴染みの記者さんも沢山いるし」
実際、フィギュアスケートのノービス等のマイナーな年齢層の試合まで見に来てくれるようなスケオタ(スケートオタク)の記者さんもいる。
そういう人達はルールを説明しなくても分かってもらえるし、毎回「感動しました!」とか「最高でした!」とか、お世辞じゃない褒め言葉を沢山くれたりするのだ。
私に長年取材に来てくれている記者さんは、私が全日本ジュニアで優勝した時に、ミックスゾーンに行くなり、「感動して泣いちゃいました!」って目を真っ赤にしながら伝えて来てくれた事があった。
ホントに泣いてたんだな、とかいうよりかは「大丈夫ですか!?」って心配になるレベルでの大泣きだった。
「へぇ……記者さんとも仲良いんだね」
「うん。小さな頃から見守ってくれてるから、近所のお姉さんみたいな感じ」
そう言うと、古森くんは「へぇ~!」と興味深そうに身を乗り出してくる。
その後、今度は古森くんの事を聞こうと思い、色々と質問したのだけれど、古森くんは高校No.1リベロと呼ばれる程の実力を持つ選手だった。
高校No.1リベロという称号は侑くんが自信満々に言ってて、古森くんは恥ずかしそうにしてたけど。
私はリベロは背の低い選手なのだろうと思っていたから、彼がリベロだという事実を知った時心底驚いた。
だって、彼の身長は私よりも遥かに高かったから。
180は超えているだろう。
その身長でリベロだということには驚いたが、よく考えてみれば、それはそうおかしな事ではなかった。身長が低いから攻撃力が低い、だから守備になる、というのが一般な考え方だが、身長が高ければその分手足のリーチが長いからその分守備もやりやすくなるのだ。
海外の選手から見たら180センチでも小柄だと言うし、リベロも背が高い方が有利なのかもしれない。
「じゃあ、私そろそろ行くね」
「あ、うん!練習頑張ってね」
「ありがとう。古森くん達も頑張ってね」
私は古森くんにそう返し、空になったお皿の乗ったトレーを持って席を立つ。
炭鉱のカナリアが大空へ飛び立てる日なんて来ない。
そんな私の心の檻を壊しに来るのが、このリベロの男の子だなんて、一体誰が想像しただろう。
少なくとも、今の私はそんなこと、考えすらしていなかったのだった。