街の喧騒を少し離れた、落ち着いた雰囲気のカフェに入った二人。
窓際の席に腰を下ろし、注文を済ませると、少しだけ緊張しながらも自然な笑顔がこぼれた。
英「久しぶりに、こうしてゆっくり過ごせるのは嬉しいです」
仏「そうだよねー。ミルがいないと、ちょっと静かすぎるけど…」
英「ミルは母さんのところでお利口にしているでしょうか」
仏「間違いなく!スコットランドさん、猫の扱いはプロだしねー」
英「…フランスは変わりないですか?仕事とか、絵とか」
仏「うーん、まあまあかな。仕事は相変わらずだけど、絵は最近少し描く時間増えたんだよね」
英「それは良かったです」
少しの沈黙のあと、フランスがふいに笑い出した。
仏「そうだ、こないだ店でさ、バラの花があったの。赤と白と青の三色。まさに僕たちの色じゃん」
英「なるほど…それは素敵ですね」
仏「今度、また花屋に行こ。ラナンキュラスも探しに」
英「楽しみにしています」
ふたりの間に、春の柔らかな陽射しが差し込んだ。