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⚠️注意⚠️
創作、バッドエンド(多分)、痛いかも
なんでも許せる人向け!
微鬱、自殺表現あります。
これは僕が漫画描いてた時の息抜きついでの
落書きから持ってきたやつです。
暗い部屋に通知音が響く。
今更誰だ、と思いつつも画面に目をやる。
画面にはメッセージが表示されている。
『ねぇ、今度の土曜会えない? 』
そんな事が書いてあった。
差出人は…昔の親友だ。
承諾する理由が無い、と言うと嘘になるが、
ちっぽけな理由だった。
子供の頃、別の学校に行く事 になって、
『また大きくなったら会おう』
なんて約束した。
久しぶりに会った時、彼は今の自分を見て何を思うだろう?
何も変わっていない、と笑うだろうか?
きっと彼はそうする。
いつも明るくて、自分の心の中までも照らしてくれた。
自分にとって彼は特別だったけれど、彼はどうだろう?
だがあいにく、その日は予定があった。
でも断れなかった。
気づくと指は勝手に動いていて、彼を予定に
誘っていた。
後悔した。
彼を巻き込むべきではなかった。
だがもうどうでもよかった。
過ぎたことは気にしても仕方ない。
大丈夫。彼を先に帰らせればいい。
最低限の荷物をまとめた。
(ここのはず…)
待ち合わせ場所に付き、辺りを見回す。
『あ!居た居た!』
聞き覚えのある声が遠くから聞こえた。
昔のまま、変わらず元気で明るい彼に色々な 事を考える。
『ねね!早速行こー!』
走りよってきた彼に手を取られ、引っ張られるような形で前に進んでいった。
『いつも見えてるのに登るのは初めてだなぁ 』
この地区は北に高い山々が連なっている。
最高高度は8000m以上。
山の中腹辺りから見る夜景と星は絶賛だ。
『なんかこう話してると昔に戻ったみたいだね〜!』
「…そうだね。」
必死に口角を持ち上げ、作り笑いを浮かべる。
不自然ではなかったはずなのにこんなことを聞かれた。
『ねぇ、最近何かあった?』
「…なんで?」
咄嗟に聞き返した。
『いや、…ううん、なんでもない!』
何か変なところがあっただろうか?
あれやこれやと自分が考えているうちに彼は話題を変えた。
『そうだ!最近ゲームにハマっててさ〜、意外とバッドエンドもの多くてさ〜』
(ゲームか…)
ゲームはすぐに飽きてしまう。
ゲームに限った話しでもない。
もう何も面白くない。
この世界に飽きてしまった。
他にもいろいろ話していたが聞き逃してしまった。
『ねぇ、もうすぐじゃない?』
もうすぐで山の中腹辺りに差し掛かるところだった。
初めは薄かった雪も、次第に厚さを増していった。
登山道に人は見当たらず、銀世界の静けさが2人を包んだ。
空はすっかり暗くなっており、星が粉砂糖のように散りばめられていた。
『見て!綺麗だね』
そう言って彼はこちらを振り返りながら背後の北極星を指している。
「うん。綺麗だ。」
彼の純粋な笑顔が自分の胸を締め付ける。
心臓の脈打つ音が聞こえる。
息を吸い、ゆっくりと吐いた。
「…ここまでの約束だったよね。
じゃあ、僕はもう少し登るから、
着いてこない方がいいよ。 」
『え、ちょっと待っ…』
もう限界だった。
彼をもうこれ以上巻き込んではいけない。
走り去ろうとすると袖の端を摘まれた。
『…ねぇ、まだ行かないで。』
涙目でそう言う彼は、彼の言動は全てを知っていたようだった。
近くの小屋に籠り、彼から話を聞いた。
『死ぬつもりだったんでしょ、今日。』
「…何で、そう思ったの?」
『誘ってくれた時から分かってた。
でも君は優しいから、僕の事気にかけてくれてたんでしょ?』
外はきっと吹雪だ。
風の音が聞こえてくる。
長く降り続きそうだ。
「ごめ…」
『謝らないで、』
『助けが来るのを待とう、?』
声が震えている。
希望が薄い事を自覚しているのだ 。
『なるべく体力を温存しよう。』
「…俺、最低だ。
独りで死のうと思ってたのに、
人巻き込んで、」
『そんな事…!』
「…でも、今は独りになるのが怖い。
なぁ、死なないよな?」
『きっと助かるよ。』
沈黙。
結局彼の事を巻き込んでしまった。
凍てつくような寒さが全身を襲う。
どうせ死ぬなら彼だけでも助からないだろうか?
壁を背に座り込むと疲労がどっと押し寄せた。
もう動く気力もない。
ふと隣に目をやると必死に意識を保とうとする彼の姿があった。
その異変に気づいたのは数分後だった。
『…ッ暑ぃ、』
気温は凍るほど冷たいはずなのに、彼は熱病かのように汗をかいている。
「頼む、もう少し持ち堪えてくれ…」
涙目で浅い息をする彼は今誰が見ても死ぬ事が分かるだろう。
「なんで、ごめんなさい…俺…」
『ね…最後に…お願い、』
「?」
『僕の事…思いっきり、抱き締めて。』
「!」
壁にもたれかかった彼をしっかりと抱き締めた。
『…ありが、と』
抱きしめた身体が脱力し、それっきり動かなくなった。
彼は救われたのだろうか?
もっと早くに死んでいたら、苦痛も減っただろうか?
死は救済…?
冷たくなった彼をそっと寝かせ、
バッグから睡眠薬を取り出し、一気に飲み込んだ。
彼には悪い事をした。
もし一緒に薬を飲んでいれば、苦しまずに死ねただろうか?
彼の傍で横になりゆっくり目を閉じた。