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21 ◇由香の息子たちの美代志に紹介するシーン(12話からの続き)
由香親子は普段なら食べない少しお高めのお弁当を4人分携えて、美代志の
家に向かった。
着いたのは19時過ぎで、インターホンを鳴らすと美代志が出た。
「良かった、美代志くん帰ってたみたい」
「母さん、俺……ドキドキしてきた」
そう長男の悟が言う。
「ふふっ、大丈夫よ。美代志くん、話しやすい人だから」
「俺もドキドキしてきた~」
今度は、ぜんぜん緊張などしてない様子の圭がそう言いだした。
「ぷっ、圭ちゃんも緊張してきた? ふふっ、大丈夫よ」
ガチャリとドアが開けられた。
「こんばんは。今日ね、子供たち連れてきちゃった。お弁当買って来たから
一緒に食べましょう?」
「いつもすみません。ありがとうございます。え~と、はじめまして……だよね」
「こんばんは」
「えっと、君が……」
「長男の悟で中学生なの」
「そして君が……」
「僕、圭……」
「圭くんか~。何年生?」
「6年生です」
「俺、いくつに見える?」
こんな風に年の話をして息子たちを和ませてくれる美代志くんと一緒に
私たちは家に入った。
あとは私がフォローしなくても、美代志くんと息子たちはすぐに打ち解けて
漫画やゲームの話で盛り上がり、私は思いのほか仲良くなれそうな彼らの姿に
ほっとした。
途中、美代志くんが子供たちの輪から抜けてダイニングにきたので、私は訊いた。
「私たちは明日休みなんだけど、美代志くんは仕事あるのよね?」
「残念ながら、ありますね~」
「何日までなの?」
「物流ですから、31日までです」
「ひぇ~、厳しいわね。私は暮れから来年にかけて自分の実家にちょろっと
顔見せするだけでほとんど自宅にいるから、また息子たち連れて顔を見に来るわね。
今度はなるべくメールしてから来るね」
「いつも、ありがとうございます」
「元旦と2日くらいは疲れを取りたいでしょうから、差し入れだけにして3日には
息子たちと来るから、トランプでもして遊ばない?」
「トランプですか、楽しそうですね。彼らとプレイしたら盛り上がりそうですね」
「お金を少し賭けるとむちゃくちゃ盛り上がるわよ~」
来年の予定なんかをちょこっと話したあとで――――
美代志くんが明日も仕事だということだったので、私は息子たちと早々に家を
引き上げることにした。
そして翌日29日から30日、31日と、私はこれまでのように夕飯を届ける
つもりでいた。
息子たちと彼との顔合わせも済み、正月が開けて自分の仕事がはじまったら
疲れている日は、悟に夕飯を届けてもらうのもありだな、なんて思いながら……。
そういう意味からも、彼らの顔合わせを終えられてほっとした。