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「いっ……」
慌てて立ち去ろうとして足がもつれてしまい転けてしまった。
絶対擦りむいた。せめてもの救いは地面がアスファルトではなく、土だったことだけど……汚れちゃったかも。歩くん、パーカーごめんなさい。
「おい、お前なんで地面で寝てんだよ」
この低く響く声は聞き覚えがある。
……こ、この声、和葉?
「あれ? 和葉、何してんだよ」
今度は歩くんの声が聞こえてきた。
「つまんねーから部屋戻ろうとしてたら、コイツが寝てた」
「……ましろ?」
き、気づかれた……っ!せめて歩くんにはバレたくなかったのに。
恐る恐る顔を上げると、目の前にはぽかんと口を開けてテラスから私を見ている歩くん。
どうやらもう話は終わって女の子はいないようだった。そして、隣には気だるそうに私を見下ろしている和葉が立っていた。
「土まみれだぞ」
「う……」
慌てて立ち上がると、膝に痛みを感じた。やっぱり擦りむいていたみたいで膝から血が出てる。それに歩くんから借りたパーカーにも少し土がついてしまってる。
「ましろ、こっち向け」
和葉の指先が私の鼻に触れた。そして、顔を覗き込むようにして頭のあたりに手を伸ばされる。
っち、近い。
「髪、乱れてた」
「っ!」
い、言ってくれれば自分で直すのに!
「顔、赤」
顔を赤くしている私を満足そうに見下ろすと、和葉は視線を歩くんに向けた。
「おい、歩」
金色の髪がさらりと風に靡く。日の光を浴びて、目映いほどの光沢をだしている。それに目を奪われている間に和葉の腕が私を引き寄せた。
「俺、こいつが好きだから」
和葉の腕の中で聞こえてきた告白に驚愕した。目の前の歩くんもかなり驚いている様子で、大きな目を見開いている。
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