TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

双子の兄ができました

一覧ページ

「双子の兄ができました」のメインビジュアル

双子の兄ができました

9 - 第9 話「ふたりの“お兄ちゃん”に挟まれて眠る夜」

♥

38

2025年06月20日

シェアするシェアする
報告する

夜、部屋の電気が落ちた。


静かな時間。

でも俺の心臓は、静かじゃなかった。


左右に感じる温もり。

ベッドの両側から、そっと伸びてくる腕。


右は、陽翔さん。

あったかくて、包み込むみたいに肩を引き寄せられる。

「……今日も可愛かったね、うちの弟くん」

甘えるような声。首筋に落とされるキス。


左は、奏さん。

無言だけど、指先が俺の手を探して、ぎゅっと握ってくれる。

そのまま髪に顔をうずめて、静かに吐息を落とす。

「……お前の全部が、俺にとって大事だ」


ダメな関係かもしれない。

でも、こんなにあたたかいのを、間違いだなんて言わせたくなかった。


「俺……ふたりがいてくれて、幸せだよ」


そう言うと、両側から優しい声が重なった。


「俺もだよ」

「……俺も」


背徳なんて言葉は、もうどこにもなかった。

ただ、

“好き”って気持ちだけが、この夜を優しく満たしていった。


ふたりの胸の中で、俺は目を閉じる。


(こんな愛され方、ずるいよ……)


けど、それでも。

この腕の中が、いちばん落ち着く場所だった。

双子の兄ができました

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

38

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚