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運命の人 ※オメガバース , 微jpur
【赫視点】
─── もし、俺がαだったのなら。君を、自分のものに出来たのかな
俺は、同じグループに所属している、5つ上のうりという人が好きだ。
でも、その恋は叶わない。なぜなら__”運命の番”じゃないから。
彼はΩ。俺はβ。彼には、世界のどこかに”運命の番”がいる。彼がもし、その運命の番に出会ってしまうのなら、俺が間に踏み入ることは出来ない。
生まれた時から、ずっと、βの人を好きになれと、そう言われてきた。
でも、そんなこと守れやしない。だって、もう彼の人柄に惹かれてしまったのだから。
今更嫌いになろうなんて思えない。苦しいくらい、愛してしまっているから。
どうして、自分はαじゃないんだ。どうして、彼はβじゃないんだ。意味もないことを考えては、自分の愚かさを知り、自己嫌悪に陥る。
せめて、どうか、想いだけでも伝えれたらいいのに、なんて思うものの、彼にとって俺はただのメンバー。告白なんてされたら、これから先気まずくなるのも当然だ。
それだけは嫌だった。彼が隣で笑顔で笑ってくれる事だけが、今の俺の心を埋めてくれているから。
黑「じゃぱさん!」
綠「おお、うりりん!」
2人が話しているのを見ると、心臓が嫌な音を立てる。
αのじゃぱぱと、Ωのうり。もし今ここで、うりがヒートになったら___なんて、最悪の状況を想像する。
2人は、”運命共同体”だなんて呼ばれるくらいだ。仲が良くて、ほんとに運命を共にしてて。
その立ち位置に立てるじゃぱぱが、どうしようもなく羨ましくて。
俺じゃその立ち位置に立つことができないから。___なんて、いつもと変わらないことを考えていた時だった。
何かが落ちるような物音。βの俺ですら香るほのかな甘い匂い。
きっと、彼が、うりが、ヒートになったのだろう。今彼の近くにいるのはαの彼奴で。いくら相手のαがじゃぱぱだろうと、本能には抗えない。今2人を止められるのは、ただ俺だけだ。
綠「っ、…うりり、ん、!」
黑「ごめ、ッ__ /」
混乱する2人。きちんと距離を取っているのも、きっと2人だからすぐにそんな対応が出来るのだろう。
赫「うり___」
黑「ゆぁ、ん、…」
俺はうりのもとへ駆け寄り、そっと後ろから支えた。
赫「じゃぱぱ、薬ある?」
綠「うん、あ..るよ、、」
赫「じゃあそっちはひとりでなんとか出来る?念の為たっつん呼ぼうか」
綠「そうしてくれると、助かる、、」
赫「わかった」
俺はたっつんに連絡を入れ、うりを部屋に連れていくことにした。
今俺の横にいるうりは、火傷してしまいそうなほど熱く、息をするのも苦しそうだった。
赫「あとちょっと。うり、頑張って」
黑「うん、ッ」
うりの部屋に着き、俺はすぐうりをベッドに寝かせた。そして、うりの机に置いてあるケースから薬を取り出した。
こんなに手馴れてるのは、うりがヒートになった時、いつも俺が世話をしているからだ。
赫「うり、口開けて」
黑「ぁ、__//」
___ちゅ、と、小さく静かな部屋にリップ音が響く。
うりがヒートになった時は、いつも俺が口移しで薬を飲ませていた。
赫「ん、飲めた?」
黑「ぅん、ありがと、」
うりがヒートの時に、隣で見守ることが出来るのはβだからであって、そこだけはβで良かったと思う。
けれど、うりに番が出来たら、俺のこの立ち位置は要らなくなる。
結局俺は、うりとの恋を叶えられないんだ。
赫「ねぇ、うり」
黑「ん、?」
赫「なんで第二の性なんかあるんだろうね、」
黑「…..」
うりは、神妙な顔で少し考え込む素振りを見せた。
黑「運命を見つけやすくするため、じゃない?」
赫「じゃあ、βがαとかΩを好きになるのは、運命じゃないってこと?」
黑「ゆあんくん」
赫「….?」
黑「── 俺は、ゆあんくんのことが好きだよ」
赫「っえ、」
黑「Ωの俺だって、βのゆあんくんを好きになる」
そういうと、うりはこちらを見詰めて、少し自慢げに微笑んだ。
黑「第二の性関係なく、俺とゆあんくんが”運命の人”だから___」
そのひと言は、今までの俺が馬鹿らしく思える程、信憑性があった。
赫「俺も、うりが好き、」
黑「ふふっ、ほら、」
黑「俺らは”運命の人”なんだよ」
コメント
26件
見るの遅れちゃった😭 え!!β×Ωやん!! ゆうのちゃん最高だああ!yaくんが第二の性に縛られて考えすぎちゃってるところに、純粋に愛を伝えるurりんが最高すぎる🫶 2人は一生運命の人です︎💕
オメガバ好きすぎる … ‼︎ ゆうのちゃんの書き方ほんと全部大好き🫶🏻 βとΩのペアいいよね ! 番にはなれないけど惹かれあっちゃうyaur好きすぎる … 😣 jpurも結構推しカプです💞
今回も神作品ありがとうございます😭💕オメガバほんとに大好きなのでゆうの様が書いたオメガバ見れるの嬉しすぎます!!しかもβ×Ω!!最高すぎる作品をありがとうございます✨️