テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
しれってロシア受け。ベラルーシ受け
その日の夜、ベラルーシは珍しく兄の部屋をノックした。
本を読んでいたロシアは、驚きもせずに顔を上げる。
「……なに?」
しばらく黙ったままのベラ。けれど、どうしても言葉にしたかった。
誰かに聞いてほしかった。その誰かが、兄でよかった。
小さく息を吸い込んで、震える声で呟く。
「……私、女の子を好きになった。」
本を閉じる音が、少しだけ静かに響いた。
けれど、ロシアは顔をしかめるでもなく、ただ静かに言った。
「……それで?」
「……変じゃない?」
「おい、俺なんか男と付き合ってんだぞ? あぁ、受けだけど。」
ベラの目が見開かれる。
「……だからさ。女の子を好きになったって、別に変じゃねぇよ。」
「…………」
ロシアの声は、まるで何でもない日常会話みたいに軽いのに、
なぜかその一言が、心の中の重たい鍵を開けていくようだった。
「お前、ちゃんと恋してんなら、いいじゃねぇか。」
誰にも言えなかった気持ち。
初めて「好き」って言葉に乗せた気持ちが、
やっと、誰かにちゃんと届いた気がした。
ベラは、小さくうなずいた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!