「ふぅ、…」
屋上は俺の心を落ち着かせてくれる。普段の騒がしい声も屋上に来れば全然聞こえなくなる
「ずっと屋上に居たいなぁって思ってるでしょ?」
と、姿を見なくてもわかるこの声は
「ぼん先生」
「おんりーチャン、屋上に行くのはいいけど、今部活中でしょ?」
それはなにも言えない、本当にそうだから。
「おらふくんまた怒ってたよ」
「おらふくんは怒っても怖くないし、優しいよ」
おらふくんとは幼馴染みで同じクラスで、しかも同じ卓球部、一緒にダブルスを組むほど俺とおらふくんはチームワークが良いと顧問にも言われている
「今日は行きたくない気分なんです」
「そっか、っていつもでしょ?…それに、もう少しで試合でしょ?」
「そうですけど…どーせぼん先生はMENの建築王大会に行くんでしょ?」
MENはおらふくんの紹介で知った友達。他の学校からしたら珍しい建築部に入っている
MENの建築は県にも知れ渡ってもおかしくない人財だ。そのMENの大会にぼん先生はいつも行っている
気にくわない訳じゃないけど、俺の大会にも来てほしい…
「今回は行かないよ、MEN他の大会があるから今回は出なれないんだって、、」
「えっ、じゃぁ…来るの?」
「どうかな~」
「来てください!」
「おんりーチャン、大会に出るにはちゃんと部活に参加しないといけないんじゃないの?おんりーチャンが上手いのは知ってるけど」
「え、じゃぁ!」
「勿論、行くよ」
そう言われ自分は隣に置いていた部活用具の持ち手を荒く掴み屋上から出ていった
いつもこうだ。ぼん先生の口車にのせられてしまう
でも、悪い気はしない
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