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2025年4月
高校の同級生で集まる会が開かれた。
出席するため、久しぶりに地元へ戻る。
会場は懐かしい顔ぶれで賑わっていたが、
優斗の視線は自然と葵の姿を探す。
優斗)「久しぶり、健太」
健太)「お、優斗じゃん!おひさ〜」
健太とは高校1年生からの仲だった。
ーー
2020年
長距離走の中でもずば抜けて足が
速かった俺に
輝いた目で声をかけてきたのがあいつだった。
健太)「ん、な!優斗だよな?
すげぇな!足早すぎだろ!!」
優斗)「そ、そうかな?ありがと!」
葵)「はい!二人とも水〜。
お疲れ様〜!」
懐かしな。
ーーー
しばらくお互いについて会話した後
疑問に思ってたことを聞く
当時のクラスメイト
36名の内35名しか来てないことについて
優斗)「なぁ、葵は来てないのか?」
と尋ねる。健太は一瞬言葉を詰まらせた後、
気まずそうに視線を落とす。
健太)「あー。葵な、お前聞いてないの?」
優斗)「ん?なに。」
健太)「え、1番仲良かったのに?」
優斗)「知らない。」
健太)「葵は、半年前…」
亡くなった。
健太の口から告げられたのは、
信じがたい事実だった。
葵は半年前、
難病のため若くしてこの世を去っていたのだ。
優斗)「嘘だよな…」
時間が止まったような感覚に襲われ、
会場の喧騒だけが遠く聞こえた。