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A「何かいつもワリいな」
飯塚「いいんだよ。気にすんなって!」
B「毎日毎日ご苦労なこった。あの子、マジでお前にベタ惚れなんじゃねえの?」
飯塚「だろうな」
A「お前に女がいるの知らねえのか?」
飯塚「さぁ、どうだろうな?」
A「お前と白鳥のお嬢様が付き合ってるのを知らない生徒がこの学校にいるなんて笑えるよな」
B「ホントだよな。バカなんじゃねえのか?」
飯塚「なんかじゃなくて、バカなんだよ」
B「身の程もわきまえられない奴ほど、みっともねえ奴もいねえよな」
A「いいんじゃねえか。使えるだけ使って要らなくなったら捨てちまえば」
飯塚「お前らひでえな。女を何だと思ってるんだ?」
A「何言ってんだよ。1番ひでえのは飯塚じゃねえかよ」
B「そうだ。この間だって1年の女子に貢がせるだけ貢がせて用がなくなったらサヨナラしてたじゃねえかよ」
飯塚「やめろよ、人聞きの悪い言い方をするのは。俺は純粋に恋愛を楽しんでいるだけだ。飽きたから捨てたまでだ」
B「やっぱりお前が1番だよ」
A「それに新しい獲物も捕まえたことだしな」
飯塚「前の子よりも全然可愛いし、めっちゃ頭悪いから俺が頼めば何でもしてくれると思うぜ」
何なんだコイツら――。
絶対に許せねぇ。
「おまっ――」
「明石、行こう!」
頭に血が上り今にも飛び掛かりそうな俺を、ゆずきが腕を掴んで制止した。
「ゆっ、ゆずき――どうしてここに?」
「嫌な予感がしたから後をつけて来たの。今何をしようとしてたの?」
「それなら、ゆずきも聞いただろ? あいつら、ぶん殴らねえと気がすまねぇ」
「そんなことをしても何にもならないでしょ! 圭太が手を出したら負けなんだよ」
「わかってる!」
「それに何も知らないマナが、大好きな飯塚先輩を圭太が殴ったなんて知ったら、きっと圭太に近付かなくなるよ」
「そんなの構わない。恨まれるかもしれない。口を聞いてもらえなくなるかもしれない。けど、そんなことはどうでもいい」
「圭太――わかってるんだったらやめなって!」
「それでマナの奴が目を覚ましてくれるなら別にいいじゃねえか」
「ホントにマナを思うなら、彼らの本性を教えてあげなよ」
「何を言ったところで、飯塚を好きなマナが俺の言葉を信じる訳ないだろ」
「そうかもしれないけど、暴力事件なんか起こしたらマナを守れなくなるじゃない」
「俺じゃなくてもいっ――」
「圭太以外に誰がマナを守るっていうの!」
「――――」
「取り敢えず、教室に戻りましょう。他の生徒が見てるわ」
飯塚たちは既に教室の中に入ってしまい、今いるのは数人の女子生徒だけだった。彼女たちは、言い合いをしている俺とゆずきを見てコソコソと何かを話していた。それから俺とゆずきは何食わぬ顔でその場から離れて自分たちの教室に戻った。すると既にマナは席に座っていた。