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更新ありがとうございます! 修学旅行バレないように見てます笑。 どうなるのか気になる。 次回も楽しみに待ってます!
更新ありがとうございます!!続きはどうなるんだろ…雲雀頑張れ…!!(語彙力)
更新ありがとうございます! 2人以外の目線で描かれると2人の感情が混ざっていない他の人から見た様子が分かりやすくて好きです〜🫶💕 最新話見てもう1回最初から読み直すと2人の関係の変化が心に刺さります...😭最初みたいな関係でいられるのもいいけど、進展もしてほしいって感じです〜‼️私にもっと語彙力があればたくさんいい所を伝えられるのに🥹これからも頑張ってください!応援してます🔥
『……はぁ、』
ガタンッと机にうつ伏せになる。
周りは異様なほど静かだ
それはそうだろう。ここは生徒会室___
今日は朝から会議があったのだ
まだメンバーは一人も来ていない
今の僕はそんなことより、今朝の雲雀とマリさんの姿が脳裏にこびりついて離れなかった。流石にあれは素っ気なさすぎたし、マリさんもビックリしたような顔をしていた。
雲雀の目の下の隈とか、泣き腫らした瞳とか、多分きっと…あれは僕のせいなのだろう。しかも雲雀はなにかマリさんに言いたげにしていたし、俺は邪魔してばっかりだ。
___やっぱり俺は、雲雀の隣に…いたら、
『…っ、やめよ…』
言いかけた言葉を飲み込む。ダメだ、僕がこんなに弱気になったら雲雀はもっと気にしてしまう。
グシャリと髪をかきあげる
いつも通り、___いつも通りでいいんだ
コンコン
「…失礼します。」
規則正しいノック音と共に、生徒会の子の声がして扉が開く。その声に反応するように急いで髪の毛を整え、笑みを顔に貼り付ける。
『他の人たちは遅れそう?』
「いや、もう少しで来ると思います」
『そっか、じゃあ待っとこうか』
少し頬を見られたが気にせずに席に座る。生徒会の人も何も口にせずいつも通りに席に座った。___変に追求してこないのはありがたいな、と ほっとため息をついて話し合いに戻った
skng side
昼休み、いつも通り屋上に集まる約束をして三人を待つ。一番最初に来たのはセラ夫だった。すっかり定位置になった屋上の隅で腰をゆっくり下ろす
___たらいと奏斗は来ていない。
たらいからはOKのスタンプが来ている。あと少ししたら来るだろう。が、奏斗からは既読がついてない。きっと、見てすらいないのだろう。
しかし、奏斗が既読をつけないのは珍しい。
いつもは遅れてでも返してくれていたが、今は既読をつける気配すら感じられない。
今日はもうそっとしておいた方がいいのだろうか
___ピコンッ 《奏斗から新着メッセージが届いています》
なんて、そんな事を考えていたら無機質な通知音が屋上に響く。「奏斗から」と言うとセラ夫も気になったようで横から覗き込んできた。通知をタップしてLINEを開いた
《ごめんアキラ。今日ちょっと予定入ったから行けない》
予想通りの答えに思わず口からため息が溢れる。
『…やっぱり』
「へー、珍しいね」
内心、まあそうだろうな。と思いながら「分かりました」と返信する。昨日のことがあった今では、会うことも気まずいのだろう
しかも奏斗はたらいの事がずっと好きだったし心の傷は大きいはずだ。”いつも通り”でいるなんて方が無理だろう
ポケットに携帯を閉まって、ふと青空を見つめる。ふと、中庭に目を向けた
『……ん?』
「えっ、なに?凪ちゃんどうしたの」
見覚えのある後ろ姿に思わず立ち上がり、フェンス越しにその人物を凝視する。
『…いや、あれって…奏斗じゃないですか?』
「……わ、ほんとだ」
指をさしてその人物を見る。特徴的な髪の色に着こなされた制服。後ろ姿でも分かる、あれは完全に奏斗だ。が、私はそれを見て驚いている訳じゃなくて
女子生徒と二人でベンチに腰掛けている奏斗を見て驚いているのだ
奏斗は雲雀の事が好きじゃなかったのか?
あの女子生徒は誰だ?ぐるぐると疑問が頭の中を駆け巡る
いや、ダメだ。他の人の物事に首を突っ込まない方がいい。脳がそう判断して、何事もなかったように隅に座り直す
「凪ちゃん、何も言わなくていいの?」
『…あまり首を突っ込むのもダメですから』
___ガチャッ
「ごめんアキラ!セラお!遅れた!!」
次の瞬間、勢いよく扉が開いたかと思えばたらいが申し訳なさそうに走ってきた。私達二人を見て一瞬なんとも言えない顔をした後ゆっくり口を開いた
「…奏斗は、やっぱいない?」
『はい、さっき用事があるから来れない、と』
「…、そっか、……まー食べよーぜ!今日俺新しいおかず作ってみたんよね!」
たらいはいつも通り笑顔で話し始めた。
その笑顔の不格好さに本人は気づいているのだろうか。
『……たらい…』
「ん?なに?どした」
『……いや、なんでもないです。』
「えー?大丈夫かぁ?」
『…大丈夫です。食べましょうか』
大丈夫じゃないのはたらいの方だろ
なんて
きっと私が何を言っても無意味なのだろうけど
___knt side
授業が終わり昼休憩のチャイムが鳴った
クラスの人達もぞろぞろと教室を出ていく。食堂や他のクラスでご飯を食べるのだろう、僕も売店でなんか買おうかな、今日お弁当忘れたし、
『そういえば、今日は屋上で食べるのかな』
すでにいつものルーティンになっていて必ずみんなで食べるのだが、そういえばアキラが朝にLINEを送ってきた気がする。
忙しくて見れてなかったけど今返信すればいいだろう。
「か、奏斗くん、!!」
LINEを開こうとした瞬間、聞いたことのある声が聞こえた。その声の主の方に目を向けると、かちりと視線が合った。
『…マリさんじゃん。どうしたの?』
その声の主はマリさんだったようで、扉の前に立っていた。慌てて椅子から立ち上がり彼女に近づく。マリさんは視線をウロウロと動かし恥ずかしそうに口を開いたり閉じたりしていた。
『…マリさん?』
「っあ…えっとこれ!…お、おべん、とう…、」
『へ?』
マリさんは恥ずかしそうにお弁当を二つ、僕の前に出してきた。その手はこころなしか震えているようにも見えた
「き、キモかったらごめんなんだけど…奏斗くん、ずっと売店でパン買ってたから、…良かったらって思って、」
「あと、一緒に…食べたいなって、思った、から…」
震えた声で、でもハッキリ僕にそう言った。
マリさんはずっと下を向いていて顔は見えないが、緊張していることがヒシヒシと伝わってきた
『…え、っと…ほんとにありがとう。めっちゃ嬉しいんだけど、僕でいいの?』
「うん、!奏斗くんがいい、!……えと、た、食べてくれますか?」
『…もちろん。どこで食べる?』
そう返事すると嬉しそうに笑って、「中庭で食べよう」と言われた。その笑顔がどこか雲雀と重なって複雑な気持ちになる。
___マリさんは雲雀じゃないのに
どこか罪悪感を覚えて、ふと足を止める
そういえばアキラに返信してなかったな
「…奏斗くん?」
『あぁ、大丈夫。行こっか』
簡潔に謝罪のメールを送ってその場を後にした