そして無事体育を乗り切り、短縮授業だったためそのまま下校となった。
みのり「早く屋上にいって練習しないと!」
ガチャ!
みのり「おまたせ〜!」
愛莉「みのり、遅いじゃない!」
遥「みのり、待ってたよ」
みのり「ごめんなさい!」
雫「大丈夫よ」
愛莉「それじゃ、早速やっていきましょうか」
40分後…..
みのり「あっつーい!」
遥「今日は今年で一番暑いみたいだね」
雫「水分をよくとらないとね」
愛莉「そうね」
みのり「えーっと、水筒は…あった」
水筒の蓋を開けようとしたその時
ボタ…ボタッ…という音がした
みのり(ん?….なんだろ?…目の前がぼやけてる?)
みのり(それになんか地面が赤いぞ?)
遥「みのり、今度やる企画の話をみんなでしたいんだけど」
愛莉「みのり?どうしたのよ?」
そう言ってみんなしゃがみ込んで顔を覗き込んだその瞬間、
雫「っ!みのりちゃん鼻血が出てるわ!」
遥「えっ!」
愛莉「みのり!ちょっと顔見せて!」
遥「すごい量….とりあえずこのタオルでおさえといて!」
そう言われタオルを受け取ろうとしたが腕が上がらない。それを察して愛莉ちゃんが鼻をおさえてくれた。
愛莉「みのり!意識はある?ちゃんと話せる?」
みのり「…らいろうぶ(大丈夫)」
雫「上手く話せないみたいね…..」
遥「今日はもう帰った方がいいんじゃない?」
雫「そうね….」
愛莉「でも血が全然止まらないわ」
遥「私たちで送っていこうか」
みのり「……」
素人っぽい
あんまりダンス上手じゃないよ
なんで遥ちゃん達と一緒にいるの?
……私は届けなくちゃ
明日を頑張る希望を….
休んでる暇なんてない。私はみんなより遅れてるんだから
みのり「帰らない、練習を続ける」
遥「みのり?もうちゃんと喋れるの?」
愛莉「ちょっと、帰らないなんて言われてもそんなの無理よ」
みのり「私は無理してでも頑張らなきゃいけないの….」
雫「それは厳しいと思うわ」
愛莉「雫の言う通りよ」
遥「休む時は休まないと」
みのり「でも!」
雫・遥・愛莉「⁉︎」
みのり「でも!私はみんなより遅れてるの!そんな私が休んで頑張ることをやめたらどんどんみんなは先にいっちゃう!私が頑張るのをやめたらただの女子学生なの!アイドルじゃなくなっちゃう!」
遥「みのり…」
みのり「うっ….」
遥「みのり!落ち着いて!」
愛莉「みのり!」
みのり「ハァ…ハァ….ッ…くる…し..」
雫「過呼吸…..!」
一気に喋ったためまた鼻血が出てきてしまう
しかもさっきとは比べ物にならないくらいの量
愛莉「遥!タオル!」
遥「はい!」
雫「みのりちゃん!」
愛莉「っ…ダメ、おさえても垂れてくる」
遥「みのりゆっくり呼吸しようか」
雫「吸うことじゃなくて吐くことを意識してみて?」
みのり「フゥー…ケホッ、スゥーフゥー」
雫「そうそう上手ね」
遥「鼻血は?」
愛莉「止まる気配がないわね」
みのりの顔がどんどん白くなっていく
雫「まずいわね..」
遥「保健室いこう、私がおんぶしていく」
愛莉「私と雫はみんなの荷物運んでいくわ」
雫「先に行ってみのりちゃんを休ませてあげて」
遥「わかった」
遥「みのり、ちょっと揺れるよ…よいしょ」
早く運んであげないと
あんまりみのりを揺らさないように階段を降りていく。肩にみのりの血が染み込んでいく感触がするがそんなことよりもみのりを休ませてあげるのが優先だ。
保健室
遥「失礼します。ってあれ?先生は?」
机を見ると出張で不在と書いてある
遥「そんな、こんな時に….」
みのり「うぅっ….」
遥「みのり!大丈夫?」
みのり「遥ちゃん?…」
遥「とりあえず血を止めないと、えっーと確か鼻をおさえて口で呼吸するんだっけ?」
みのり「遥ちゃん口から血が出できた….」
遥「!?…そっか保険の授業で習った気がするな、とりあえず私のジャージに血を出しといて」
みのり「うん..」
辛いなら寝てもいいよ、そう言うつもりだったが言う前に寝てしまったようだ。幸い血も止まった。起きたら愛莉のお説教が待ってるんだろうな。かわいそうに。
……みんな先にいっちゃう!私が頑張ることをやめたらただの女子学生なの!
さっきの言葉が頭から離れない、そんなことを思っていたのかこの子は、それに気がついてあげられなかった。私たちはみのりを置いていって先に行くなんてことしないのに。
そう思いながら私は前に寝ている頑張り屋さんの頭を撫でた。
コメント
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めっちゃ好みだ〜!