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〈ななっし~視点〉
…こんなに遅くなっちゃった。
早く帰って報告書書かないと…また怒られる…
首にはチョーカーが付けられている。GPSつきの。
逆らったり無理矢理取ろうとすると、機械が感知していつでも爆発出来るようになっている。
だから私は逃げられない。
…何あれ
こんな時間に私と同い年ぐらいの、紫のパーカー、紫色の髪、コウモリの耳みたいな…コウモリ?
それが意味するのは
人外
「っ!」
逃げだそうとするけど、一足遅かった。
「ちょうどよかった。貧血気味だったんだよね。」
首に鋭い痛みが走る。
そしてすぐに体が冷える感覚がする。
血なんて吸われたことがないから。気持ち悪いとしか言葉に表せない。
「っ………」
「ぷはっ、悪くなかったよ。ありがとね~」
その声を最後に、私の意識は途切れた。
「はっ!」
あれ、私…
知らない天井、ここは…どこ?
起きて周りを見渡す
コンクリートの壁…地下室的な?
「あ、起きたか?」
扉が開いて、左目に包帯を巻いた男が入ってくる。
「っ!」
私はすぐに警戒態勢に入り、銃を取り出…銃がない
というか…頭痛い、気持ち悪い
「ちょ、動くなって、お前貧血なんだから。」
ひん、けつ…?
そっか、私あのコウモリみたいなやつに…
噛まれた所を触ると、包帯が巻かれていた。
あれ、というかチョーカーは…?
あのコウモリに噛まれたときにでも壊れたのだろうか。爆発していないのが不思議だけど。
「お前、何があったんだ?」
…こいつは私が飴空七志だとは気付いていないらしい。
なら好都合だ。取り敢えず体調が回復するまでは大人しくしておこう。
「頭にコウモリの耳みたいなの付けたやつに血吸われたの。」
「コウモリ…紅森べるか?」
どうやら知っているらしい。
紅森べるは、最近この辺りでは噂になっている、コウモリの獣人らしい。
コウモリの獣人と聞くと、吸血鬼をイメージするかもしれないけど。ちょっと違う。
血を吸わないと生きられない訳ではなく、貧血になってしまうので血を吸っている。
個人差はあるらしく、貧血にならない人もいるとか…
「とりあえず。体調が回復するまではここに住んどけ、俺はちょっとリーダーと話してくるから。」
「…分かった」
森瀬 戸津…政府の敵
この機会に、少し情報を集めてみよう。