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風宮 むぅまろ(̨̡ ¨̯
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「え、白石さん?」
さっきまでの「肉食系モード」はどこへ行ったのか。彼女は傍らの毛布を頭から被って丸まってしまった。
「……実は、こういうことするの、久しぶりすぎて。……私が下手で、がっかりされたらどうしようって。……陽一さんに嫌われたらどうしようって思ったら、急に怖くなって……っ」
無敵の女神が見せた、あまりにも脆くて愛おしい隙だった。僕は彼女を毛布ごと優しく抱きしめ、その耳元で静かに囁いた。
「……僕も、です」
「え……?」
彼女は毛布からひょこっと顔を出し、僕を見つめた。
(……5年。5年ぶりなんだぞ! しかも相手は人生最高の美人。心臓がバックバクで、死にそうなんだぞ!脳内サーバーは過負荷でとっくに熱暴走寸前だ。……嫌われるのが怖いなんて、僕の方なんだからな!)
心の叫びを飲み込んで、僕は彼女の頬に手を添えた。
「がっかりなんて、するわけない。……だから、一緒にゆっくり、始めませんか?」
僕の方から二人の距離を埋めるような、深い口づけを落とした。 不安も、期待も、全部を包み込むように。 夜の闇の中で、僕たちは静かに、熱く、溶け合っていった。