ついに来た。この時が。
今絶賛夫婦喧嘩中。
「家族3人で暮らすのが難しいから、あんたとフェーデに働いてもらっているのに、もう1人増やすってどういうことだい!」
「でも・・・死にそうだったから」
「私らだって死にそうなんだ!でも、あんたが稼いでくるって言うから外に出してるっていうのに。たった一時の感情で、ものみたいに連れてくんじゃないよ!」
「ものって何さ・・・」
「ていうか、最近仕送りが滞ってんだよ!フェーデが頑張っているからいいものの、どういうことだい!」
「それはっ!」
「まさか、女やギャンブルにつかってるんじゃないだとうね」
「っ・・・!」
「図星なのかい」
うわぁ、アレフもクソなのか
で、そのリカルドはどこに・・・
「・・・」
あれか
たしかに死にそうだな
「君がお父さんが連れてきた子?」
「っ!?」
私が話しかけたことに驚いてはいるけど、細い体に似合わないほどの殺意と警戒。
ちょっと油断すれば殺されてしまいそうなほど。
きっと、私たちよりも過酷な生活を送ってきたに違いない。
「・・・お前、誰・・・?」
話しかけてきた!
「私はフェーデ・・・もしあなたがここに迎えられた時に姉になる」
声震えてなかったよね
「お前は嫌じゃないのか・・・?」
「何が?」
「あいつはかなり嫌がってんだろ?」
あいつ?あぁルチアのことか
「別に」
「なんで?」
なんで?そんなの殺されるとか関係なく、推しに決まってるからじゃない!
って言えるわけもないし
「んー、1人増えたとこで貧乏なのが変わるわけじゃないし」
「それに子供2人の方が恵んで貰えるもの増えそう」
「それが理由か・・・?裏があんだろ」
「裏かぁ・・・しいて言うなら 」
「私が君といたいから」
「は?」
「ずっと1人だったから、本当の家族じゃなくても、隣にいてくれる人が欲しい」
「変な奴」
よし、まずは殺意を無くしてくれたみたいだ!
警戒はまだされてるけど
「子供くん!君を家族にするよ」
名前も聞かなかったのか。
いや、なかったのかもしれないな。
ていうかよくあの状況で勝てたなクソアレフ
ルチアがめっちゃ舌打ちしてるし
何はともあれリカルドは家族になった